パソコンではいろいろなところで「〜モード」とういう用語使われます。日本語入力システムでも、いろいろな観点で「〜モード」という用語が出てきます。「〜モード」となっていても同じ観点の用語とは限りません。同じ観点の用語を対で覚えてください。

「半角英数モード/全角かな漢字変換モード」はパソコンの基本となる「英字の入力方式」か、日本語入力するための「かな漢字変換の入力方式」かです。「ローマ字入力モード/かな入力入力モード」は文字を入力するときに、キーボードの配列は英字配列を使いローマ字読みで入力するか、かな配列を使って入力するかです。

日本語入力システムの入力方式

日本語入力システムを使い、キーボードから日本語を入力するには2つの入力方式があります。ひとつはキーに割り振られている「アルファベット」を基準に日本語をローマ字読みで入力する方式です。もうひとつはキーに割り振られている「かな」を基準にする方式です。前者が「ローマ字入力」、後者が「かな入力」です。

日本語入力システムでは「ローマ字入力」と「かな入力」の両方を必ずサポートしています。一時的に切り替えて使用することもできます。通常、一般ユーザーは習得期間が短くて済む「ローマ字入力」を選択します。パソコンを使用する場合はどちらの方式でも問題はありません。

「ローマ字入力」と「かな入力」

「ローマ字入力」

「ローマ字入力」は、アルファベット配列26文字(3段のキー)の打ち方を覚え、日本語をローマ字読みで入力する方法です。当初、日本語のローマ字読みに慣れる必要があります。入力はローマ字読みで英字を入力しますが、自動的に「かな」に変換されて表示します。かな漢字変換モードのまま英字を入力すると、英字綴りの内ローマ字読みに該当する部分が「かな」に変換表示されて、一時的に表示と入力が一致しなくなります。

「かな入力」

「かな入力」は、かな配列46文字(4段のキー)の打ち方を覚えます。かな配列の打ち方を覚えただけでは英文が入力できませんので、英字配列の打ち方も覚えることになります。「英数記号」は、「ひらがな/カタカナ」キーで入力モードを「かな」モードと「英数文字」モードを切り替えておこないます。いずれも打ったキーの文字がそのまま表示されます。

どちらを選択するか

練習期間と負担の観点

「ローマ字入力」は、英字配列26文字(3段のキー)の打ち方を覚えれば、とりあえず日本文字、英字が入力できます。「かな入力」では、かな配列46文字(4段のキー)の打ち方を覚えただけでは英字が入力できませんので、英字配列の打ち方も覚えることになります。倍にはなりませんが、「かな入力」をおこなう方が練習に時間がかかります。

練習期間と負担の観点では、使用するキーの数が少なく、覚える時間が短くて済みますので、「ローマ字入力」が一般ユーザー者向きの方式になります。

ただし、現在の日本語表現は「ひらがな」「カタカナ」「漢字」「英字」「数字」「記号」の6種が必要です。どちらの方法をとっても効率的に入力をするには最終的に4段すべてのキーの打ち分けが必要になります。

このため、現在の日本語入力システムでは、数字や記号を「読み」や表示一覧からマウスで選択して入力できるようになっています。キーを打つ負担は減りますが、入力効率は落ちることになります。

入力スピードの観点

「かな入力」では「か」は「か」のキー1つを打てばよいのですが、ローマ字入力では、「K」と「A」の2つのキーを打たなければなりません。実際の文章を打つとき倍にはなりませんが、どちらが速いかの議論をする余地はありません。

当然ですが、「かな入力」を覚え立ての人より、「ローマ字入力」に精通した人の方が入力スピードは速くなります。両方をできる人の場合は、使い慣れている方式の方が速くなります。

入力効率・能力の観点

「ローマ字入力」で日本文を打つ場合は、頭の中でローマ字読みに変換して入力しています。慣れれば負担にはなりませんが、「かな入力」は、打つ文字キーと表示が一致していますので、日本字も英字も直感的に入力できます。

「かな入力」では、日本字と英字入力の切り替えを「ひらがな/カタカナ」キーでおこないます。「かな入力」のできる方は、このキーを押すと、瞬間的にキーボードの配列イメージが「かな」から「英字」へ、「英字」から「かな」へと切り替えることができます。

「かな入力」のできる方は、英字を打つために英字配列の打ち方もできますので「ローマ字入力」もできます。「ローマ字入力」のできる方は、特に必要がなければ「かな配列」の打ち方は練習していませんので、英字配列の「ローマ字入力」しかできません。

利用している人の数について

一般ユーザーがパソコンを使う場合は練習期間が短く、負担が少ない「ローマ字入力」を使うことになります。また、コンピュータ技術の世界は英字が中心ですので、職業上プログラマーなどは英字配列のタッチタイピングに精通しています。必然的に日本語を入力するときの方式も「ローマ字入力」になります。

このため、「ローマ字入力」をする方のほうが圧倒的に多くなります。「ローマ字入力」のほうが「方式として優れていて入力スピードが速い」ということではありません。

一般ユーザーがパソコンを使用する場合は、基礎的なブラインドタッチ(タッチタイピング)で「ローマ字入力」ができれば問題はありません。文書入力を業務とする方など入力スピードや正確さが必要な場合は、中級以上のタッチタイピングの練習が必要になります。また、入力方式も「ローマ字」や「かな」入力方式ではなく、親指シフトのキーボードなど入力効率と入力スピードを考慮したキーボードでの入力方式になります。

[「ローマ字入力」と「かな入力」の切り替え]

規定値は「ローマ字入力」に設定されいます。切り替えはタスクバー右端部の言語表示の「あ」または「A」を右クリックしてメニューを表示し、下部にある「かな入力」を選択し、有効・無効の選択肢を表示させます。

右クリックメニューの『かな入力』の有効・無効を切り替えることにより、「ローマ字入力」と「かな入力」が切り替わります。また、言語のカナロックをクリックして有効にすると「かな入力」モードになります。再度クリックしてロックを解除するとローマ字入力になります。

また、言語バーにIMEのプロパティボタンを表示させるように設定し、そのプロパティボタンをクリックして、表示される「Microsoft IMEの設定」ウインドウの下部[詳細設定]をクリックして表示される「Microsoft IMEの詳細設定」のマ字入力とかな入力の選択設定で切り替えます。