コンピュータの学術・技術上では基礎の基礎になる事項として、コンピュータの「五大装置（機能）」または「五大論理装置」というものがあります。コンピュータの五大要素を論理図で表現したものです。論理図を理解しないとパソコンが使えないということはありませんが、理解している人と、していない人ではパソコンの取り扱いに大きな差が生じます。パソコン初級レベルの資格試験でも論理図に関する問題が出ることがあります。
ポイントは「デバイス(装置)」という用語です。「デバイス(devide)」は「装置」と訳されますが、論理図では動作原理上の「概念装置」の名称として使われます。一般ユーザーが、日常使う具体的な機器の分類総称（印字装置、表示装置）とは観点が異なります。一般ユーザーがメインに取り扱う記憶装置のハードディスクは、論理観点では『補助記憶装置』になります。論理的にはプリンタやディスプレイはＣＰＵで処理したものを出力する先の装置として捉えるため『出力装置』になります。
五大装置（機能）
すべてのコンピュータは「入力」「記憶」「演算」「出力」「制御」という５つの機能で構成され、これらをおこなう装置を「入力装置」「記憶装置」「演算装置」「出力装置」「制御装置」といいます。
入力装置 Input Device
外部から内部ヘデータを送り込む、または読み込むはたらきをする部分です。処理に必要な文字，数字，画像，音声などを電気信号に変換して送り込む装置です。ここでいう「内部」とは「中央処理装置および記憶装置」を指します。
具体的にはキーボード、マウス、スキャナー、デジタルカメラ、マイクなどが該当します。
出力装置 Output Device
処理されたデータを内部から外部ヘ情報として送り出す、または書き出す部分です。状況により人が確認できる形式に変換します。ディスプレイとプリンタは、中央処理装置（ＣＰＵ）で処理したデータを人が理解できるような状態に変換して表示、印刷する代表的な出力装置です。
記憶装置 Storage Unit
コンピュータ上でデータやプログラムを記録保持しておく装置です。「主記憶装置」と「補助記憶装置」があります。一般の方が日常取り扱うのは「補助記憶装置」です。ここでの「主」「補」はコンピュータの動作原理を基準とします。
主記憶装置 Main Storage Unit
処理に必要なプログラムやデータがいったん読み込まれる一時記憶装置です。メインメモリーが該当します。
補助記憶装置 Auxiliary Storage
「主記憶装置」は一時記憶装置です。これを補助する記憶装置としてデータやプログラムを記録媒体に保存・管理し必要なときに利用できるようにする装置です。補助記憶装置に記録保存されているプログラムやデータは主記憶装置に読み込まれて、中央処理装置（ＣＰＵ）にいき処理されます。
具体的にはＨＤ,ＦＤ,ＭＯ,ＣＤ－ＲＯＭ,ＤＶＤ,USBメモリなどの記憶装置や記憶媒体が該当します。
演算装置 Arithmetic Unit
正式には「算術論理演算装置 ＡＬＵ(Arithmetic and Logic Unit)」といいます。処理対象に対して算術演算や理論演算、比較、分岐などの処理をする装置です。
制御装置 Control Unit
上記４つの装置が協調して動作するようにコントロールする装置です。プログラムの命令に従って全装置に制御信号を送ります。入出力の制御もおこないます。
中央処理装置 ＣＰＵ Cental Processing Uint
五大装置の「演算装置」と「制御装置」から構成されるものを指します。「中央演算処理装置(CPU)」ともいいます。コンピュータの処理の中枢部です。一般には「ＣＰＵ」を使いますが、パソコンのものは「ＭＰＵ（マイクロプロセッサユニット）」ともいいます。
論理図はＣＰＵを中心に動作原理に従って、各装置の関連が表現されています。一般ユーザーはディスプレイ基準に本体という観点でパソコンを捉えています。観点の基準が異なることになります。論理図を左に９０°回転させて、「入力装置」を下にした状態が一般ユーザー観点のイメージ図になります。
最近は５大装置以外に、下記の「入出力装置」をくわえ説明している場合もあります。
入出力装置
コンピュータで通信をおこなうための装置です。通信回線を使い、コンピュータで外部とデータをやり取りすることは、入出力をすることになります。具体的には、本体に内蔵されているネットワークカードやルータ、ターミナルアダプタなどが該当します。