sf25. RAIDバックアップ方式

「RAID(レイド)」は「Redundant Array of Inexpensive Disks(リダンダント・アレイ・オブ・インエクスペンシブ・ディスクズ)」の頭文字を略した用語です。

「RAID(レイド)」は専門的な定義のあるコンピュータデータのバックアップ保存方式のことをいいます。大型汎用機やネットワークサーバーで使用されるもので,複数のHDDを1つのドライブのように取り扱えるようにしたり,複数のHDDにデータを分散して書き込めるようにしたりする技術です。これにより,バックアップの信頼度と効率化が図れます。

企業などのシステムはこの方式が標準となります。通常,一般の方が使うことはまれですが,最近はビデオデータを使うことが多くなりデータの容量が大きくなっているため,市販のHDD製品の中にも「RAID(レイド)」に対応するものが出てきました。RAIDを使う場合の基礎知識ガイドです。

RAIDのレベル

RAIDには幾つかのレベルがあります。RAID 0,RAID 1,RAID 01,RAID 10,RAID 2,RAID 3,RAID 4,RAID 5など。通常使われる方式は,RAID 0,RAID 1,RAID 5,RAID 6の4つになります。

RAID 0

データをブロック単位に分割し,複数のディスクに分散して配置することで,読み込み・書き込み速度が高まります。ただし,RAID内のHDDが1台でも故障すると,ファイルの復旧が困難になります。データ書き込みの高速化は図れますが,安全性の向上は図れません。

RAID 1

データを複写して,2つのディスクに書き込む方式で,「ミラーリング」ともいいます。どちらかのHDDが故障しても,一方にすべてのファイルがあるので安全性の高さが利点ですが,同じデータを2台のHDDに書き込むため容量コストが倍になります。

RAID 5

HDD1台1台に「パリティ」と呼ばれる修正符号データを付加して保存し,いずれかのHDDが故障したときは,失われた分のデータをパリティから生成することができる方式です。「パリティ」は,HDDに障害が発生したあとにデータを復元するために使われる符号で,RAIDにデータを書き込む際に,自動的に生成されます。残っているデータとパリティを組み合わせることでデータを復旧できるので,1台のHDDが壊れた場合でも稼働が可能です。ただし,「パリティ」を演算するため,CPUに処理負荷がかかります。

RAID 6

基本的には「RAID5」と同様の方式ですが,「パリティ」を二重にして,異なるディスクに記録することにより,「RAID 5」より障害性を高くします。「RAID 5」では2台のHDDに障害が発生した場合,回復不可能ですが,「RAID 6」では残りのデータから完全な状態のデータを生成し復旧することができます。障害性に優れていますが,生成されるパリティが増えることで,書き込み性能が低下し容量効率が悪くなります。

パリティチェック(party check) 奇偶検査

パリティチェックは,データの整合性を確保するためのシンプルで効果的なエラー検出手法です。データの誤り検出方式の一つで,ピッと列中に含まれる「1」の数が偶数か奇数かをあらわす符号を算出して,データに付加します。もっとも単純な誤り訂正符号方式で算出や検出がしやすく高速処理ができる方法です。