「バックアップ」は「保険」です。ディスククラッシュや誤って大量のデータを削除した経験がありませんと、バックアップは時間や手間がかかる面倒くさい作業に思えます。バックアップを取っていないことを車に例えれば、強制も任意も一切保険に入らないで車を運転しているようなものであることをご承知おきください。事故が起きてしまってからではどうにもなりません。
バックアップ方式の種類
バックアップには単位、時期、状態の条件により方式があります。各方式にバックアップ手順とリストアー手順があり、手順を取り違えますとバックアップの意味はなくなります。
業務上のシステムでは複数のファイル(データペース)で集計更新するようなってシステムが多数あります。こうしたシステムのバックアップを、個人使用パソコンの日常感覚でバックアップ取ったり、復元しますと予期しないトラブルが起きます。システム管理の指示に従ってください。
フルバックアップ方式
対象を一括してバックアップすることをいいます。バックアップ先に前回のものがある場合は、全ファイル上書きする形式と更新データ(ファイル)のみ上書きする形式があります。元データが削除されたり、フォルダーの構成が変わった場合でも、バックアップ先には以前のものがそのまま残りますので、データ量が多くなると時間がかかり、バックアップ先の媒体も容量の大きいものが必要になります。
増分/差分バックアップ方式
フルバックアップと併用して更新データのみをバックアップする方式です。一番最初にフルバックアップを行い、次回より「差分」または「増分」をおこないます。以後、一定期間おきにフルバックアップを挟みながらおこないます。どのくらいの期間でフルバックアップをおこなうかは「差分」と「増分」どちらの方式をでおこなうか、データ更新の頻度、バックアップ媒体の容量などの条件により設定します。
増分バックアップは複数データの更新頻度が高い業務システムで使います。
増分バックアップ方式
前回バックアップ時から更新されたデータ(ファイル)のみをバックアップします。毎回更新されたものだけですのでバックアップ時間は短く、容量も少なくてすみます。ただし、復元するときは最初にフルバックアップ使い、以後増分バックアップの古い順に復元していく必要があります。増分バックアップの途中が紛失すると復元はできなくなります。
差分バックアップ方式
前回フルバックアップ時点から更新されたデータ(ファイル)すべてをバックアップします。毎回、前回フルバックアップしたときからの更新データ(ファイル)をすべてバックアップしますので時間が掛かり、容量が大きくなります。ただし、最後のフルバックアップと最後の差分バックアップがあれば復元ができます。
バックアップの留意点
バックアップの単位
バックアップにはドライブ単位、フォルダ単位、ファイル単位があります。通常、一般の方がデータファイルのバックアップをとる場合は、フォルダ単位のフルバックアップ方式になります。
バックアップの時期
一般の方は、パソコンを使い終わるときにバックアップを取るようにしてください。バックアップとる習慣を身につけるようにしてください。データ内容と方式によっては期間があいたり、不定期になると意味がなくなる場合もあります。バックアップはデータの内容、使う方式、更新頻度などの条件より妥当な期間を設定する必要があります。
ダウンロードコンテンツ
インターネットを使ってダウンロードしたコンテンツ、特に音楽や映像は著作権の問題で複写できないものが多くあります。中には数回であれば複写できるものもあります。バックアップ取ることができないコンテンツの場合コンテンツをダウンロードしたディスクが使用不能になると消滅することになります。IDとパスで本人確認ができれば所定回数ダウンロードできる場合も。現在はサブスクリプションのストリーミング方式再生が主流ですのでバックアップを取ることはありません。