sf20. データの互換性

  • OSレベルのデータ
  • 同一アプリケーション新旧バージョン間
  • 同種他社アプリケーション間
  • 異種アプリケーション間
  • OLE(オーエルイー)
  • 2007年以降

データの互換性には「互換性レベル」という問題があります。論理的な意味での互換性は、専門家や知識のある方にとっては互換性があっても、一般の方にとっては互換性があるとはいえません。

OSレベルの互換性か、アプリケーションレベルの互換性か、データファイル形式レベルの互換性か、媒体への記録方式レベルの互換性かなどがあります。何を基準としてのデータ互換性であるかの問題があります。

一般の方にとってのデータ互換性とは、使っているアプリケーションソフトのデータ互換性の問題になります。使っているアプリケーションソフトのデータ互換機能をどの程度理解して使っているかの問題になります。アプリケーションソフトのマニュアルには「データファイルの互換性」や「取り扱えるファイル形式」についての説明が必ずありますので内容を確認してください。

データの互換性には基本ソフトのファイルシステム、データファイルの形式、媒体への記録方式などの知識が必要になります。

OSレベルのデータ互換性

現在のパソコンシステムはオープンプラットフォームやオープンネットワークという方式を基準としています。ファイル形式がこの方式に対応するものであれば基本ソフト(OS)の違いには関係なく利用できるようになっています。

また、MacとWindowsの問題も同じアプリケーションソフトであれば多少の制限や制約はありますが、Mac版のデータファイルとWindows版のデータファイルはそのまま利用できます。

また、現在のアプリケーションソフトでは読み込み・保存機能に変換処理が組み込まれるようになり、いろいろな用途の汎用形式データを利用できるようになりました。

同一アプリケーションソフト新旧バージョン間

通常、アプリケーションソフトで標準保存したものは、そのアプリケーションソフト固有のデータ形式になっています。アプリケーションソフトのデータファイルは各バージョンの処理機能と密接な関係があるため、バージョンアップで機能変更や新機能の追加が行われると形式が変わり、拡張子も異なります。

通常、旧バージョンのデータファイルはすべて新バージョンで読み込めるようになっています。逆に旧バージョンで新バージョン形式のデータファイルは読み込めませんので、新バージョンでは旧バージョンのデータ形式で保存ができるようになっています。

新旧バージョンのデータ互換性はバージョン間の間隔があくほど利用制限が多くなります。新旧バージョン間でどの程度の互換性をとっているかは、各アプリケーションソフトにより異なります。新旧バージョンで変更のない場合もあります。必ず、各アプリケーションソフトのマニュアルで「新旧データの互換性」を確認してください。

同種他社アプリケーションソフト間のデータ互換性

原則として、アプリケーションソフトで標準保存して作られたデータは、そのアプリケーションソフト固有のデータ形式になっているため、そのままでは他社同種のアプリケーションソフトでは利用できません。ただし、現在のアプリケーションソフトは、同種他社アプリケーションソフトのデータファイルを変換して読み込めるようになっています。

読み込みには、単に相手のファイルを指定すればよい場合と、読み込むファイルのデータ形式を一覧から選択する場合があります。かなり高いレベルの互換性を保ち、同種他社アプリケーションソフトのデータを読み取る製品もありますが、対象になるデータの内容や対象製品のバージョンなどにより制限を受けることもあります。

汎用形式のデータを扱う場合

現在のアプリケーションソフトでは、そのアプリケーションソフト固有のデータ形式以外にも、汎用形式のデータファイルを取り扱えるようになっています。ワープロソフトではテキストファイルやリッチ・テキスト・フォーマットファイルなどです。画像処理ではGIFファイルやJPEGファイルなどです。

汎用形式のデータファイルであれば、その汎用形式のデータファイルを取り扱える、すべてのアプリケーションソフトでの利用が可能です。

各アプリケーションソフトのマニュアルには「他社製品データとの互換性」または「他形式のデータとの互換性」という項目がありますのでご覧ください。A社のソフトで、B社のソフトのデータファイルが読み込めても、B社のソフトで、A社のソフトのデータファイルが読み込めるとは限りませんので注意してください。同種他社のデータをどのように取り扱うは各ソフトハウスの営業方針によります。同業他社のデータファイル形式は一切取り扱わないものもあります。

OLE(オーエルイー)  Object linking and embedding

Windowsには、Windows上で動作するアプリケーションソフト間でデータを互いに利用できる機能があります。データをオブジェクトとして他のものに取り込む機能です。アプリケーションソフトの種類が異なっても、データの種類(文字データ、画像データなど)が同種のものであれば利用することができます。

この機能により、ワープロソフトのデータに表計算ソフトのデータを貼り込んだり、表計算ソフトのデータをワープロソフトのデータに張り込んだり、ワープロソフトや表計算ソフトのデータに画像を貼り込んだりすることができます。貼り付け方(取り込み方)には、単に貼り付けてしまう方法、編集ができる形式で貼り付ける方法などがあります。

マニュアルには「アプリケーションソフト間の連帯機能」「アプリケーションソフト間のデータ共有」などというタイトルで説明があります。現在この機能はインターネットの連帯機能も含め「ActiveX(アクティブエックス)」という機能名になっています。

sf20. データの互換性