パソコンで使用するソフトウエアの呼び方に、「フリーソフト」「シェアーウエア」「オンラインソフト」「オフラインソフト」というものがあります。いずれも異なる類似用語あったり、同じ用語でも過去と現在の内容の違うものもあります。また、日本固有の呼び方のものもあります。
このページに出てくる「パソコン通信」と「インターネット」という用語は別のものを指しています。詳しくは『ネットワーク』の「ネットワークの種類」のページをご覧ください。
「オンライン(online)」と「オフライン(offline)」とは
「オンライン(online)」はネットワークに接続して使える状態にする、またはネットワークにつながっている状態をいいます。一般社会ではネットワーク接続の有無に関係なく、ネットワーク経由または、同じような方法で利用するものの接頭辞としても使われます。
「オフライン(offline)」はパソコンがネットワークに接続していない状態をいいます。「オンライン」の反対の意味になります。
スタンドアローン stand-alone
コンピュータの運用・利用形態をさすときの呼び方のひとつです。ネットワークを利用しない単独の運用・利用形態のことをいいます。かって、パソコンの利用はスタンドアローンが中心でした。ネットワークを利用するものを「ネットワークパソコン」、利用しないものを「スタンドアローンパソコン」などと呼びました。現在のパソコンはネットワークにつなげることが前提ですので、このような用語は使わくなりました。
「オンラインソフト(online soft)」とは
「オンラインソフト」には二つの意味があります。従来はオンラインシステム(鉄道や飛行機など交通機関の座席予約システムや、銀行のATMなどの入出金システムを実行するソフトウェアを指しました。
パソコン/インターネット普及により、プログラムをウェブサイトやFTPサーバなどからダウンロードできるようになり、こうした形式で利用するパソコン用の小さなツール類を「オンラインソフト」と呼ぶようになりました。現在では後者の意味で使用されることが多い。
パソコン通信の時代にプロの技術者や趣味趣向者などプログラミング知識のある人が、個人レベルで作ったユーティリティーやツール、ゲームをフォーラムに公開したのがはじまりです。無料/有料(シェアウエア)/条件付きなど利用形態があり、これらのものは自己責任で使うことが前提です。
オンラインソフトには必ず、使用規則書や利用方法の注意書きがテキストファイルで提供されいます。必ず読んで内容を確認してください。こうしたものがない場合は使用しないことをおすすめします。オンラインソフトに紛れ込ましてウイルスを送り込むことができます。一般の方がダウンロードするときは、制作者のサイトまたは然るべきダウンロードサイトから必ずおこなってください。
現在はインターネット上のWebサイトに公開されていてダウンロードできるソフトウエアのこといいます。通常、インターネットを通じて販売されるパッケージソフトなどメーカーが営利目的で販売するものとは区別しています。プロの技術者や趣味趣向者が個人レベルで作成し、公開しているものをさします。
最近は、インターネットの普及と高速化により、オンラインでのソフト販売も増えてきました。市販アプリケーションソフトも該当ソフトハウスのWebサイトからダウンロードで購入できるようになっています。広義に解釈すれば、これらのものも「オンラインソフト」になります。
※インターネットなど、オンライン状態につながったまま使うソフトウェアを「ウェブアプリケーション」「ネットワークアプリ」なとと呼びます。
オンラインソフトの種類
オンラインソフトには「フリーウエア(フリーソフト)」と「シェアウエア」があります。
フリーソフト free software
フリーウエアともいい、制作者がインターネットを通じて無償で提供しているソフトウエアです。誰もが自由に使うことができますが、著作権は制作者に帰属します。著作権の行使を放棄しているものから複製・配布を禁止しているものまであります。フリーウエアの中にはオープンソースの形式をとっているものもありますが、通常はソースコードは配布されません。
また、オンラインソフトのフリーウエアとは異なる意味合いのソフトでも、単に無償ソフトのことをフリーソフトといっていることもあります。
PDS ピーディエス Public Domain Software
パブリックドメインソフトウェア
「Public Domain」は「権利消滅、著作権放棄」を意味する熟語です。著作権を完全に放棄して公開されているソフトウエアーをいいます。誰もが無料で自由に使うことができ、複製・配布・改変もできます。ただし、日本では国内法の関係で著作権を完全に放棄することはできません。このため、フリーソフト(フリーウェアー)と呼んでいます。
オープンソース open source
制作者がソースコードを公開し、他の開発者が自由にプログラムの改良や機能追加をできるようにすることをいいます。世界中の開発者によってバグを修正したり、機能改善などがおこなわれます。
シェアウエア shareware
制作者がインターネットを通じて有償で公開・提供しているソフトウエアをいいます。著作権は放棄していません。ダウンロードは無償でできますが、使用は有料になります。一定期間の試用後、継続して利用する場合は制作者に代金を支払う必要があります。ほとんどのものが、期間内に送金し、送られてくるパスワードを入力しなければ、何らかの不都合が起きるようにできています。
開発者やアマチュアが提供するものと、当初より販売を目的としてシェアウエアの形式を取っているものがあります。
オンラインソフト利用上の留意点
オンラインソフトは、マニアを対象としたものから一般の方を対象にしたものまでいろいろあります。最近はパソコン雑誌や新聞などでも紹介されているものもありますが、内容をよく確かめて使ってください。ほとんどのものはパソコンについての知識があることを前提にしています。
- 必ず、利用規定や使用許諾書の条件を確認してください。ダウンロードすると本体と一緒に「お読み下さい」や「Read me」などのタイトルが付いたテキストファイルがついています。メニューの中にもあることもあります。
- 上記のものと一緒に動作環境の説明がされたテキストファイルもありますので必ず読んでください。ソフトによっては、他のフリーソフトとの組合せで動作するものもあります。また、そのソフトを動作するためにはパソコンの動作環境設定を変更しなければならない場合もあります。
- ウイルス感染の問題もありますので、しかるべきオンラインソフトのダウンロードサイトからおこなってください。ダウンロードしたプログラムはすぐ使用せずに、ウィルス対策ソフトなどで検査してから使ってください。
- 通常、オンラインソフトのプログラムは圧縮ファイル形式です。自動解凍形式のものが多いのですが、中には使用者が解凍作業をするものもあります。この場合、その圧縮形式のファイルを解凍するソフトが必要になります。詳しくは、この講座[ファイルの圧縮・解凍]をご覧ください。
知識のある方には単なる動作環境の設定変更でも、一般の方にとっては使用上の不都合となる場合もあります。オンラインソフトではこうした状況が非常に起きやすいので注意してください。
オンラインソフトのサポート
オンラインソフトの使用は自己責任を原則とします。マニュアルは制作者自身が記述した簡単なものです。機能改善など開発に関する参考意見はメールで送ることができますが、操作サポートの連絡することはネチケットに反します。
ただし、中には充実したオンラインマニュアルやヘルプ機能を装備しているものもあります。また、人気のあるものは市販マニュアル本が発売されていたり、そのソフトを利用している人たちが集まりサポートサイトを開設していることもあります。開発者のWebサイトに操作のQ&Aページがあることもあります。