sc.21 Winny(ウィニー)

  • 「Winny(ウィニー)」とは
  • 「Winny(ウィニー)」問題
  • 「Winny(ウィニー)」対策
  • Winny(ウィニー)を悪用するウイルス

「Winny(ウィニー)」は、そのソフトウエアの問題点よりも、有料コンテンツをタダで利用できるということの方が有名になっています。「Winny(ウィニー)」の情報漏洩の問題はネットワークに関する知識がないと、その仕組みを理解することは困難です。

ネットワークについての知識のない一般ユーザー、特に若者(自負)が感染することになります。現在は、一台のパソコンを複数の家族で使っている時代ですので予期せぬ情報の漏洩がおきます。「Winny(ウィニー)」というソフトウエアにいろいろな意見がありますが、弊社では使わないことをおすすめします。

「Winny(ウィニー)」とは

元東京大学大学院助手の金子勇氏が開発した「P2P型のファイル交換ソフト」です。 通常、インターネットではネットワークサーパーにファイルを置き、これをWebブラウザでホームページからダウンロードする形式でファイル交換をおこないます。

Winnyのシステムでは「Winny(ウィニー)」をインストールした個々のパソコン同士でおこない、ネットワークサーパーを介しません。「Winny(ウィニー)」をインストールした個々のパソコンがファイルをネットワークに公開するサーバーの役目とダウンロードするクライアントの役目の両方をおこないます。

「P2P(peer to per)型」

クライアントサーバーシステムを使わず、コンピューターが同士が対等な関係で構築されるネットワークシステムをいいます。ネットワークに接続している各コンピューターが、サーバーにもクライアントにもなります。

「ファイル交換ソフト」

ネットワークを使いファイルをアップロードしたり、ダウンロードしたりしてファイルをやり取りする(交換)ことを目的としてたソフトウエアです。

「Winny(ウィニー)」問題

「Winny(ウィニー)」の利用には問題点が2つあります。「著作権侵害の問題」と「情報漏洩の問題」です。「Winny(ウィニー)」利用に伴う著作権侵害の問題はすぐに理解できますが、情報漏洩の問題はネットワーク上のファイル転送システムの知識がないと理解は困難です。

著作権侵害の問題

「Winny(ウィニー)」は個人が自分のパソコンにインストールして利用するため、どのようなファイルを公開(ダウンロードできるようになする)するかは個人のモラルに依存します。自分で作成したものを公開するのであれば問題ありませんが、ほとんどの場合は映画、テレビ、ビデオ、演劇、コンサート、音楽などを録画・録音したものになります。従って、著作権侵害の問題が起きます。Winnyを開発・配布した金子氏は著作権侵害のほう助で逮捕され有罪判決を受けました。

「Winny(ウィニー)」のシステムでは、システムの特徴から膨大なコンテンツを非常に高い匿名性で利用するとことができますので、みんなであえば多くの有料コンテンツをタダで利用できることになりなす。「Winny(ウィニー)」のシステムは若者とっては非常に魅力的なシステムになりますが、これをハッカーが見過ごすわけはありません。「Winny(ウィニー)」を悪用してウイルスがばらまかれ情報漏洩の問題が起きます。

情報漏洩の問題

「Winny(ウィニー)」は「P2P型ファイル交換ソフト」でウィルスではありません。ただし、ウィルスが悪用することが可能なソフトウエアで、この点のセキュリティ対策が施されていません。「Winny(ウィニー)」はウイルスが情報を流出する手段としても、ウイルス自身を感染する手段としても悪用されます。

Winny(ウィニー)利用者は他のWinny(ウィニー)利用者がファイルを公開しているパソコンから自由にファイルをダウンロードできます。ウイルスはこの機能を悪用して、Winny(ウィニー)利用者が公開していない他のファイルを公開します。

どのようなものが公開されてしまうかは感染ウイルスにより異なります。Winny(ウィニー)利用者の公開指示とは関係なく、Winny(ウィニー)利用者のパソコン内ファイルが自動公開されます。

また、Winny(ウィニー)のシステムはファイルを転送するときにキャッシュという仕組みを使います。効率的な転送が可能ですが、同時に匿名性が得られるシステムでもあります。このため漏洩した情報の源泉をたどりにくいという問題があります。

対策

対策は単純明快です。『使わない』です。「Winny(ウィニー)」を使わなければ、「Winny(ウィニー)」を悪用するウイルスに感染することもありませんし、万一感染したとしても「Winny(ウィニー)」がないので情報漏洩はおきません。感染も拡大しません。「Winny(ウィニー)」は国産のソフトで、その利用者も国内が中心です。「Winny(ウィニー)」による情報漏洩は日本独自の問題です。

対策の問題点

たびたびマスコミで報道されたことにより、有料コンテンツが「タダ」で入手できるシステムであることが知れ渡り、情報流出のメカニズムをよく知らない人の興味本位な利用が増え、感染が後を絶ちません。「子供がWinnyを利用して、親の情報が流出してしまった」ケースも多く見受けられます。Winnyの危険を知っていても、コンテンツを「タダ」で入手するために、セキュリティ機能をあえてオフにして使う人もいます。

Winny(ウィニー)を悪用するウイルス

以下の2つは代表的なものでこれら以外にもあります。これらの一部を改良変更した亜種といわれるものもが多数あります。

「Antinny」(アンティニー)

Antinnyは、Winny(ウィニー)のファイル共有機能を利用して情報を流出させたり、自分自身のコピーを公開フォルダーに紛れ込ませます。Winny(ウィニー)の機能を使った情報流出と増殖ですので、Winnyを使っていなければAntinnyの被害には遭いません。

「山田オルタナティブ」

「Antinny」はWinny専用のウイルスですが、「山田オルタナティブ」はWinny(ウィニー)だけでなく、メール添付ファイルやWebサイトからのダウンロードでも感染する可能性があります。情報流出にはHTTPプロトコル(通信手順)を使います。感染したパソコンでWebサーバー機能を立ち上げ、パソコン内のファイルを公開してしまいます。通常のWebブラウザーでファイルのダウンロードが可能になります。