WWWはいろいろなネットワーク技術の集合体です。現時点では、「インターネット」や「WWW」がどのような仕組みのものであるかをある程度理解して利用しませんとおもわぬトラブルを起こすことになります。
現在の一般企業サイトは、サイトの提供者が作っているわけではありません。委託された外注業者が、デザインレイアウトの技術者、画像・映像処理技術者、プログラム開発者など複数の技術者を集めプロジェクトを組み作成しています。サイトの運用も自社でおこなうのではなく運用委託会社に任せているケースが多いようです。
「WWW」とは
インターネット上の「world wide web」というサービスの略です。「Web(ウェブ)」と略されることもあります。インターネット上に誰もが閲覧できるように情報を公開するシステムのことをいいます。ネットワークを「蜘蛛の巣」にたとえ「Web」と呼びます。WWWはインターネットの情報サービスのひとつですが、一般にはWWWを使うこと(Webページ閲覧)がインターネットを使うことを意味しています。
「WWW」のシステムは、1990年頃に欧州合同素粒子原子核研究機構の研究員ティム・バーナース・リー氏らのグループにより開発され以下のような技術が使われています。
- データ転送プロトコルHTTP
- 文書の所在を指定するURL
- 文書記述言語のHTMLまたはXML
- データ形式を指定するMIME
- ハイパーテキストによるリンク
上記技術を土台として、更にスクリプト言語のプログラムを組み込んだり、CGIのプログラムと連動させるなどいろいろな技術が利用されています。
WWWサーバー
「Webサーバー」または「ホームページサーバー」とも呼びます。公開する情報ページが保存されているサーバーです。Webブラウザーからのドメイン名を使ったアクセスに対してHTTPプロトコルで公開ページのデータを転送します。代表的なWebサーバーソフトには、フリーソフトの「Apache」やマイクロソフトの「IIS(Internet Information Services)」などがあります。
「WWWサーバー」はコンピュータネットワークに関する一定知識さえあれば個人の方でも設置が可能ですが、セキュリティ上の対策をおこなうにはネットワークに関する高度な知識と経験が必要になります。
W3C ダブリュスリーシー WWW Consortium
インターネットのWWWに関する技術を標準化している非営利団体です。Webページ作成に使うHTML言語の仕様もW3Cで策定しています。インターネットの技術に関する管理団体ではありませんので、W3Cが公開するものは「標準化仕様を推奨する」するという形式です。米マサチューセッツ工科大学コンピューターサイエンス研究所、欧州情報処理数学研究コンソーシアム、慶応義塾大学がホスト機関として共同運営に当たっています。
Webページとホームページ
ホームページ homepage
WWWで公開するページは複数のページから成り立っており、この入り口となる最初のページを「ホームページ」または「トップページ」と呼びます。一般にはWebページ全体をさして「ホームページ」と使われています。
Webブラウザーの「ホーム」ボタンを押すと表示されるページも「ホームページ」と呼びます。このページはブラウザの登録設定内容によりますので、必ずしも、Webページの入り口となる最初のページとは限りません。
Internet Explorerではメニューバーの「インターネットオプション」「設定」で任意のURLを指定することができます。設定するとブラウザが起動するときに自動的にこの設定URLのページが表示されます。
現在は、上記のURLにポータルサイト(portal site)のURLを記述します。「ポータルサイト」とはWWWで情報を探すときに窓口となるWebサイトのことをいいます。通常、WWWの検索サイトが登録されます。
Web(ウェブ)サイト web site
「Webサイト」は、Webページを表示するためのHTMLファイルや画像ファイルなど各種Webコンテンツが登録されている場所をいいます。ひとつのIPアドレス(ドメイン名)で閲覧できるひとまとまりのWebページをさします。商用サイト、情報サイト、個人サイト、企業サイトなどサイトの内容をあらわす用語を付けて使います。
ポータルサイト portal
「portal」は「玄関、入り口」の意味です。WWWを閲覧するときに多くの人が基点として利用するサイトをいいます。ポータルサイトとしては検索サイト、ニュースサイト、プロバイダのサイトなどが使われます。ブラウザ「ホーム」ボタンの登録設定にポータルサイトとして使うURLを指定すると、Webブラウザーを起動したときに最初に表示されるWebページになります。
検索サイト search site / search service
Webページの検索機能を提供しているWebサイトです。インターネット上のWebサイトの情報を集め、データベース化してURLの検索ができます。検索には検索語を入力して該当するWebページを探す「キーワード検索」や、階層化された分類を順にたどっていく「カテゴリー検索」などがあります。
検索サイトにはディレクトリ型とロボット型があり、現在は多くの検索サイトが併用しています。検索サイトの検索システムを「検索エンジン」または「サーチエンジン(search engine)」と呼びます。
ディレクトリ型 directry type
ユーザーが登録申請した内容などを元にWebページの情報を収集します。その内容からカテゴリーごとに分類・整理し検索できるようにします。代表的なディレクトリ型検索サイトには「Yahoo! JAPAN」があります。
ロボット型 robot type
「ロボット」と呼ばれる検索エンジンプログラムで、定期的にWebサイトを巡回し、自動的にWebページの情報を集め、検索できるようにします。代表的なロボット型検索サイトには「Google」と「goo」があります。
ブラウザー browser
「browse(ブラウズ)」は「本を拾い読みする、ざっと目を通す」を語源とする用語で、本来はデータファイルの中身を見るためのソフトをいいます。現在は、インターネットのWebブラウザー(ホームページの閲覧ソフト)をさします。「Internet Explorer」「Netscape」「Opera」「FireFox」「Google Chrome」などがあります。
プラグイン PlugIn
アプリケーションソフトに後から組み込んで機能を追加強化するためのソフトをいいます。一般的には音楽や映像を再生するためにブラウザに機能を追加するソフトをさしますが、ワープロソフト、集計ソフト、画像処理ソフトなどにもプラグインはあります。
アクセラレータ
主に、装置の性能を拡張・高速化するために設置する付加装置のことをいいます。もっとも代表的なものにCPUアクセラレーターやグラフィックスアクセラレーターがあります。ソフトウエアでも本体プログラムの機能を拡張・高速化するときに使う付加機能のことを「アクセラレータ」といいます。IE8.0のアクセラレータはリンク先の外部サイトのサービスプログラムをブラウザ上で利用できるようにしたものです。
クッキー Cookie
閲覧したWebサイトから送信され、閲覧者のハードディスク内に保存される情報ファイルのことをいいます。そのサイトの来歴情報などが記録され、次回アクセス時にこの情報をWebサイト側で取得できます。クッキーには期限があり、期限を過ぎると自動的に削除されます。また、他のサイトのクッキー情報を取得することはできません。
この情報をもとにソフトのアップデート、期限切れのお知らせ、過去の購入品一覧など個々のユーザー別の対応が可能になります。ただし、個人のプライバシーを侵害する可能性がある仕組みですので、ブラウザ側でクッキーをどのように扱うか設定できるようになっています。通常は標準設定(有効)でお使いください。
商業サイトのでは、何らかのかたちでクッキーが利用されています。サイト側では閲覧パソコンを特定できる利便性もありますが、利用者によっては不必要な表示制御をされるという問題も発生します。また、一般ユーザーの方にはWebサイトにこのような仕組みがあることを当初知りませんので、知らない間にこのようなものが送り込まれていることに不快感をもつ方もいます。
クッキーの仕組みのみでは使用者(個人)を特定することはできません。特定されているのは使用者が使っているパソコンです。あなたではありません。ただし、そのパソコンの中に個人情報が登録されていたり、クッキーが送り込まれたサイトで個人情報を入力すると、「○○○さんが使っているパソコン」と特定されることになります。
SSL secure socket layer
公開鍵暗号方式、秘密鍵暗号方式、デジタル認証などの技術を使い、WebブラウザーとWebサーバー間で安全なデータのやり取りができるようにする技術をいいます。米ネットスケープコミュニケーションズが開発したもので、ブラウザのNetscapeやInternet Explorerが対応しています。
SSLをサポートしているWebページを閲覧すると、IE6ではウインドウの右下部に、IE7ではアドレスバーの右横に鍵のアイコンが現れます。このページのURL先頭は「http」ではなく「https」になっています。
PDFファイル portable document format
米アドビシステムズが開発したAcrobatというソフトのファイル形式です。テキスト情報以外にも、フォントの情報、文字装飾の情報、グラフィックス情報、レイアウト情報などが記録されていて、異なるOS間でもオリジナル文書と同一イメージで表示できます。印刷物に近いイメージの文書を作ることできるため、インターネット上のマニュアルやカタログなどの配布・閲覧に利用されます。
PDFファイルの作成には、アドビシステムズ社のAcrobatというソフトまたは互換ソフトを使います。フリーソフトから市販のものまでいろいろあります。表示閲覧のみの場合は、アドビシステムズ社が無償配布しているAdobe Readerというソフトを使います。
ストリーミング配信 streaming
従来、インターネット上で音声や動画データ利用する場合は、音声や動画のファイル全体をいったんダウンロードしてからでないと再生ができませんでした。
ストリーミング形式のデータではファイルの一部を読み込んだ時点で再生を開始し、読み込みをおこないながら再生をしていきます。この技術とインターネット通信回線の高速化により、マルチメディア(音楽や動画など)をリアルタイムに再生できるようになります。
Windows Media Player、リアルネットワークス社のRealPlayer、アップル社のQuickTimeなど多くのマルチメディア再生ソフトがストリーミングデータをサポートしています。
Web 2.0 ウェブにてんゼロ
論理概念用語で、従来とは異なる新しいWWWのサービスとそれを支える技術の総称です。現時点では明確な定義はなく、専門家により内容が異なります。Web 2.0には要件があり、これを営業Webサイトの先進性を比較するときの度合いとして利用されています。Web 2.0以外にWeb 1.0やWeb 1.5という表現もあります。