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nw17. インターネット・サービス

  • インターネットで利用できるサービス
  • インターネットを利用したビジネス
  • インターネットのサービス利用の留意点

「インターネット」はネットワークの名称で,このネットワークを利用して具体的におこなえるものを「サービス」と呼び,その中身を「コンテンツ」と呼びます。かっては,プロバイダ(ISP)が提供するサービスの利用が中心でしたが,現在はプロバイダ(ISP)以外にも,大学や行政機関など公の団体が提供するものから,企業・個人を問わず宣伝・収益営業・趣味趣向を目的としたいろいろなサービスが提供されています。

近年,著しい成長を遂げたのが検索サービスを提供している「検索サイト」です。インターネットの膨大なコンテンツの中から該当のものを探すには検索機能が必須となります。実質,インターネットを利用するには検索サイトを利用することが前提になり,一般の方にとって,「パソコンを使う」とは「インターネット上のサービスを利用すること」になりました。

インターネット上のサービスタイプ

インターネット上のサービスには「WWW」「電子メール」「FTP」「Telnet」など基本的なサービスと「ブログ」「ネットオークション」「インタネット・トレード」「各種投稿サイト」など,WWWシステムの技術を土台として,いろいろな新しい技術を付加して作られたものがあります。後者にはビッグヒットするものもあれば,完成度が低く人気が出ず廃止になるものもあります。

プロバイダ(ISP)が提供するサービスには,無料と有料があります。eメール,ホームページ,ブログ,アルバムなどのサービスはプロバイダ(ISP)と契約していれば誰でも無料登録で使えるようになります。どのような無料・有料のサービスがあるかは各プロバイダ(ISP)により異なります。各プロバイダ(ISP)のWebサイトで「サービス一覧」を検索してご確認ください。

また,同じサービスでも内容が異なる部分があります。A社のホームページ領域は10MB,B社ホームページ領域は50MBなど内容が異なることがあります。基本サービスは同じでも付加サービスが異なることが多くあります。

無料サービスサイトと有料サービスサイトについて

いずれも,しかるべきプロバイダ(ISP)の有料・無料登録サービスであれば安心してご利用になれます。また,社会的にそのサイトの利用がメジャー(有名)になっているものであればほぼ安心してご利用になれます。

問題は,こうしたものを装い不正請求や個人情報収集を目的とした似非サイトがインターネット上は多数存在することをご承知おきください。無料サイトでも,付加機能やオプション機能は有料でユーザーの使い方により,いつの間にか利用料金が雪だるま式に増えてしまうものもありますので注意してください。

インターネット上のサービス利用の留意点

インターネット上のサービス利用するときはよく内容をご確認ください。該当のWebサイトの提供者は,個人か,企業か。個人情報の取り扱いポリシーはどのようになっているか,URLの表記とサイトの内容に矛盾はないか。他のサイトへのリンクが多用されていないかなど。

Webページは技術力さえあれば,本物のサイトにあるソースデータをコピーして,簡単に似非サイトを作ることができます。ただし,URLをまったく同じにすることはできませんので,「Microsoft」が「Micosoft」になっていたりします。インターネットの知識のある方はこうしたことに気づきますが,一般ユーザーは気づかず似非サイトで自分のIDやパスワード,クレジット番号,住所,電話番号,氏名を入力してしまいます。

インターネット上の不法行為の大半は,相手にインターネットの仕組みについての知識がないことを悪用したものです。すべてではありませんが,インターネットの仕組みについて基本知識を身につけるだけで,大半の不法行為には適切に対処して防ぐことができます。

インターネット上で提供するサービスは該当サーバーを設置する知識と技術力,資金があれば,個人でもおこなうことができます。

インターネットで利用できるサービス

WWW(ダブリュダブリュダブリュ)  world wide web

単にWebと呼ばれることもあります。Webページ(ホームページ)閲覧システムを意味します。一般にはインターネットと同義語のようにとりあつかれます。現在のインターネット・サービス・コンテンツは「WWW」の技術を拡張したり,他の技術と組み合わせたものがほとんどです。

RSSリーダー

RSSはWebページの「ページタイトル,見出し,更新日時,概要」を要約して配信するためのXMLフォーマットです。WebサイトのページがRSSに対応していれば,RSSリーダーというソフトまたはRSSリードに対応するWebブラウザで該当Webサイトの更新情報を自動的に取得することができます。配信形式の閲覧ができます。

電子メール  electronic mail, E-mail

一般にはEメールまたはメールと呼ばれます。ネットワークをとおして,郵便の手紙と同じようなイメージでデータをやり取りするサービスです。詳しくは,この講座[電子メールの基礎知識]をご覧ください。

FTP

インターネットに接続されたコンピューター間でファイルを転送するためのプロトコルをFTP(File Transfer Protocol)といいます。FTPソフトを使うことにより,インターネット上でファイルをダウンロードしたり,アップロードすることができます。

一般の方は,Webサーバーに自分で作ったWebページのファイルをアップロードしたり,修正のためダウンロードするときに使います。

anonymousFTPサーバー  アノニマスエフティーピー

インターネット上にはだれもがログインできる「anonymous FTPサーバー」というものがあり,オンラインソフトや各種データなどのファイルが登録されていて利用できるようになっています。

「anonymous」は「匿名(トクメイ)」の意味です。インターネット上で公開されていて,だれでも利用できるFTPサーバーをいいます。IDには「anonymous」を,パスワードには自分のメールアドレスを入力することで利用できます。

NetNews  ネットニュース

ネットニュースはインターネット上の電子掲示板システムです。TCP/IP上で動作するNNNTP(Network News Transfer Protocol)というプロトコルを使います。ネットニュースを利用するにはニュースリーダーというソフトウエアが必要です。メールソフトがNNTPに対応していれば利用できます。

NetNewsはいろいろなニュースグループで構成されています。このグループを会議室といいます。利用者は会議室に書き込みをおこないます。これを「投稿」といいます。読むことを「購読」といいます。NetNewsの多くは英語で運用されていますが,日本語でやり取りできる「fj」などのニュースグループもあります。

ニュースリーダー  news reader

ネットニュースを利用するときに使うソフトです。かっては単独のソフトでしたが,最近は電子メールソフトがその機能をサポートしています。

Telnet  テルネット

遠隔地にあるコンピュータにリモートアクセスして,遠隔操作するプロトコルです。最近は 一般個人の方を対象にリモートサポートを実施するメーカーもあります。ただし,このサービスは現在のインターネットセキュリティ環境では自己責任利用のサービスになります。

Web(ウェブ)メール  web mail

ブラウザーメールとも呼びます。Webブラウザーからメールサーバーに届いたメールを読んだり,逆にメールを送信するサービスです。電子メールソフト(メーラー)を使う必要がないので,Webブラウザーが使える場所ならどこでも利用できます。各プロバイダが自社ユーザー向けのオプション無料サービスとして提供しています。

チャット  chat

オンラインでリアルタイムにメッセージを交換できることをいいます。自分のキーボードで入力したものが相手のディスプレイに表示され,相手がキーボードで入力したものが自分のディスプレイに表示されます。文字方式の会話になります。1対1のチャットと,多人数で利用できるチャットがあります。メッセージだけでなくユーザーの分身(アバター)を画面上に表示して,あたかもアニメのキャラクター同士が会話しているようにチャットを楽しむことができるサービスもあります。

インターネットディスク

プロバイダのサーバーに自分のデータ記憶領域を取得できます。インターネットを利用できる環境であれば,どこからでもこの領域にアクセスしてデータを利用することが可能になります。2009年度よりマイクロソフト社も個人対象にこのサービスをはじめました。Officeソフトであればこのスペースで共同作業も可能です。

インターネット電話(IP電話)

インターネットを利用してVoIPという技術を使い音声通話をおこなうサービスです。伝送帯域を保証するものを「IP電話」,保証されないものを「インターネット電話」と呼びます。

ブログ(blog)

「weblog(ウェブログ)」の略で「Web上の記録」という意味なります。日記サイト形式の簡易的Webサイトです。このサイトのWebページはデザインレイアウトがある程度決められており,利用者は文字入力し写真を用意すれば掲載ができるようになっています。

ページ作成が簡単であることと,リンクを張って内容を追記するトラックバックという機能が注目されています。トラックバックを利用することにより興味を同じとする人の意見交換の場を作ることができます。

ソーシャルネットワーキング

登録会員のみがWebページを閲覧できるお友達サイトです。既存の会員から招待されないと入会できないシステムになっています。会員間でコミュニケーションとり,友人として自分のページに登録して,友人を増やしていきます。会員は自分のプロフィルや日記,写真などを公開でき,これらの閲覧対象者を指定することができます。

インターネットを利用した商業とビジネス

パソコンなどの端末から,通信回線を経由しておこなわれる商取引のことを電子商取引(EC  Electronic Commerce)といいます。商業サイトには,既存の会社がインターネットでもサービスを提供している場合と,ネットワーク専門の業者が提供している場合があります。

企業間での取引をB to B(Business to Business)といい,企業と消費者間の取引をB to C(Business to Consumer)といい,インターネットバンキング,オンラインショップ,ホームトレード,ネットオークションなどがあります。

ホームトレード  home trade

インターネットや電話を使って株や債券などの取引をおこなうことをいいます。ユーザーは証券会社の店頭に行かなくても,家庭にいて取引ができます。ホームトレードをおこなっている証券会社では,売買の取引だけでなく,市場動向などの情報も自社のサイトで提供しています。

インターネットバンキング  Internet banking, online banking

インターネットを使いパソコンや携帯電話から銀行口座の残高照会や振り込みをおこなうサービスです。主な都市銀行や信用金庫でもおこなっています。また,インターネット上だけで営業をおこなうネット専業銀行もあります。

ネットオークション  online auction

インターネット上のWebページでおこなうオークションサービスです。個人や企業などが出品した商品に購入希望者が購入金額を提示し,最高値を提示したユーザーが落札する形式になっています。利用の増加と共に詐欺などによるトラブルも増え,第三者が取引を仲介する代金預託方式(エスクロー)や個人認証などの対策がとられています。(ヤフー・オークション,楽天オークション,ビッターズオークション)

オンラインショップ  online shop

Webページを使って商品を販売するWebサイトのことをいいます。複数の店舗が集まっているものを「電子モール(ショッピングモール)」といいます。最近は,オンラインショップを開設ためのWebページ作成ソフトもあり,一般の方か単独でオンラインショップのサイトを開設することも可能になってきました。また,ASPがおこなうオンラインショップサービスを使う方法もあります。(楽天市場,ヤフー・ショッピング,アマゾン・ドット・コム)

インターネットを利用した娯楽サービス

音楽・画像・映像の配信サービス

音楽・画像・映像などをインターネットを使って配信するサービスです。インターネットのストリーミング技術を利用してリアルタイムに配信データを利用できるサービスと,購入ダウンロードして利用する場合があります。購入ダウンロードして利用する場合,利用者側に配信されるデータ形式に対応する再生ソフトが必要になります。主なものに「RealPlayer」,「QuickTime」,「Windows Media Player」などのマルチメディア再生ソフトがあります。

動画投稿サイト

「動画共有サイト」ともいいます。動画を投稿したり,ほかのユーザーが投稿した動画を閲覧したりするなどのサービスを提供するWebサイトです。ビデオカメラで撮影した動画などを,インターネット上で複数の人に公開できます。代表的な動画投稿サイトにはYouTubeやニコニコ動画などがあります。

ユーザーが私的に録画したテレビ番組映像や音楽などが投稿されることが多く著作権侵害の問題が生じています。

セカンドライブ

米Linden Labs社が運営する3次元コンピュータグラフィックスの仮想世界サービス。「アバター」(avatar)と呼ばれる自分の分身を操作すことで仮想世界でいろいろな活動ができる。この世界の標準言語は英語で,使用するパソコンに高性能なグラフィック性能が必要になります。会員登録と専用ソフトウェアをインストールする必要がある。

ASP エーエスピー  application service provider

「アプリケーションソフト・サービス・プロバイダ」はインターネットのサーバー上にあるソフトウエアを,ユーザーがインターネット経由で利用できるように提供しているプロバイダのことをいいます。

現在,インターネット上のサービスの多くはユーザー側に利用するためのソフトウエアが必要です。「ASP」ではサービスを利用するためのソフトウエアは「ASP」側にあります。

ソフトを購入することなく,そのソフトウエアを利用することができます。ユーザー側でソフトのインストールやアップデートなどが不要となります。ただし,カスタマイズには制約を受けるため,定型的な処理をするものが中心になります。

グーグル,マイクロソフト社などがWeb版のOfficeソフトを公開しています。これらはグーグルやマイクロソフト社の「ASP」業務になります。

SaaS(サース)

SaaSは「Software as a Service」の略です。インターネット経由で各種のアプリケーション機能をユーザーに提供するサービスです。高速通信回線を使いWebブラウザー上でクライアントソフトに近いインタフェースを実現できるもを指します。 ユーザーが利用機能の選択やユーザーインタフェース追加・変更ができたりと,カスタマイズでき利便性がよく「ASP」とは区別して使いますが,ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)と同じ意味で使われることもあります。