nw16. ドメインネームシステム

  • ドメインネームとは
  • ドメインの使われ方
  • ドメインネーム
  • 日本における属性型ドメイン
  • ドメインに関する団体

最近は、メールの独自ドメインサービスなど、一般ユーザーを対象にしたものにも「ドメイン」という用語がよく出てくるようになりました。また、似非サイト、偽サイト、不法サイトを見分ける重要な手がかりにもなります。

「ドメイン」には種類があり、既定に従った幾つかの表記書式があります。インターネットを使う場合は重要な事項ですので、どの書式がどのような意味をもっているかを必ず覚えるようにしてください。

「ドメインネーム」とは

「ドメインネームシステム(Domain Nmae System)」は「DNS」と略します。コンピュータネットワークでは、送受信相手のコンピュータを識別するために「IPアドレス」を使いますが、「IPアドレス」は数字の羅列であるため実用向きではありません。この数字形式を特定の文字列と対応させする仕組みが「ドメインネームシステム」です。これをおこなうサーバーを「ドメインネームサーバー」といいます。

「ドメイン(Domain)」は、1台または複数のサーバーで管理されているネットワーク上のひとつのまとまりをいいます。ネットワークの管理はこの単位でおこない、相手を特定して送受信をおこないます。 このひとつのまとまりに割り振られたIPアドレスに対応する文字列のことを、ドメイン名(ドメインネーム)」といいます。日常は単に「ドメイン」と呼んでいます。

URL  ユーアールエル Uniform Resource Locator

「URL」は、インターネット上の情報にアクセスするための記述方式です。情報を得るための手順とその場所を指定します。専門家の間では「URL」の上位概念「URI」を使う場合もあります。一般社会ではWebページアドレスやホームページアドレス、サイトアドレスと呼ばれています。

DNSサーバ  domain name server

ドメイン名とIPアドレスを対応変換するサーバーです。通常、クライアント(ユーザー)からの問い合わせはドメイン名でおこなわれます。これをIPアドレスに変換してインターネット上の目的のサーバーを探します。DNSサーバーはインターネットに接続されている各ネットワークに設けられています。

ドメインの使われ方

ドメイン名はネットワークの各種アドレスを表記するときに使われます。代表的なものがWebページを閲覧するときに入力するURLとメールアドレスです。

WebサイトのURL

[ http//www.toowaent.co.jp/index.html/ ]
 HTTPというプロトコルを使って「toowaent.co.jp」というドメイン名が割り振られたホストのWebサーバーにアクセスし、「index.html」を取得してWebブラウザーに表示することを意味します。

Eメールアドレス

[ toowahead@ja1.so-net.ne.jp ]
 ユーザー名「toowahead」、サブドメイン「ja1」、ドメイン名「so-net.ne.jp」のメールアドレス。

ドメインネーム

ドメイン名はドット(ピリオド)で区切られた文字列(ラベル)で構成されます。1つのラベルの長さは63文字以下で、全体ではドットも含めて255文字以下と定められています。各ラベルは、右側からトップ・レベル・ドメイン(TLD)、セカンド・レベル・ドメイン(SLD)、サード・レベル・ドメイン(3LD)と呼びます。

ドメインネームの「.」は、記号としては「ピリオド」ですが、文章の「ピリオド」とは異なる意味合いのもののため「ドット」と呼びます。

トップ・レベル・ドメイン(TLD)は一番右側です。左側ではありませんので注意してください。

トップ・レベル・ドメイン  TLD  top level domain

ドメイン名の一番右側にくる部分です。ドメインの形式は複数あるため、トップ・レベル・ドメインには「国別トップ・レベル・ドメイン」「一般トップ・レベル・ドメイン」「国際トップ・レベル・ドメイン」の3種類があります。

国別トップ・レベル・ドメイン  ccTLD

アメリカ以外の国ではドメインに国コードを付加する必要があります。インターネット発祥の地米国では国別ドメインは付けませんのでありません。

jp(日本)、kr(韓国)、cn(中国)、uk(イギリス)、
 fr(フランス) de(ドイツ)、it(イタリア)、
 br(ブラジル)、au(オーストラリア)、etc

一般トップ・レベル・ドメイン  gTLD

国に関係なく、その組織の属性によって設定されます。企業なら「com」、大学などの教育機関なら「edu」、政府機関なら「gov」、ネットワーク業者なら「net」などです。この形式のものを「国際ドメイン」と呼ぶこともあります。このドメインの管理団体は米国のICANNになります。米国では国別ドメインは付けないので一般トップ・レベル・ドメインが一番右側になります。

国際トップ・レベル・ドメイン  iTLD

国際的な政府間組織に割り当てられるもので一般に使うことはできません。

日本における属性型ドメイン

トップ・レベル・ドメインが「jp」のドメイン名は、株式会社日本レジストリサービス(JPRS)が管理し、割り当てをおこなっています。jpドメイン名は大きく分けると次の3つがあります。日本でもっとも一般的に使われる形式は「属性型jpドメイン名」です。

  • 「汎用jpドメイン名」
     登録数に制限がない−toowaentsite.jp
  • 「属性型jpドメイン名」
     組織属性の付いた形式、1組織1ドメイン名− toowaent.co.jp
  • 「地域型jpドメイン名」
     都道府県市区町村名で構成するもの

日本では「汎用jpドメイン名」「属性型jpドメイン名」「地域型jpドメイン名」にあわせ、「国際ドメイン(〜.com)」も使われています。

日本におけるセカンド・レベル・ドメイン(SLD)の分類

日本などのセカンド・レベル・ドメインは一般トップ・レベル・ドメインと同じように組織の属性をあらわします。ただし、各国や地域のドメイン管理団体が設定していますので、同じ表記のものもありますが、国や地域により内容がことなります。

co(企業)
 ac(学術研究機関・大学)
 ed(生徒・児童の教育・育成機関.高等学校や中学校)
 ne(プロバイダーなどのネットワークサービス提供者)
 ad(ネットワーク管理組織)
 go(政府機関)
 gr(法人格を持たない団体)
 or(上記以外の団体)

国際化ドメイン名

「IDN(international domain name) アイディーエヌ」ともいい、英数字やハイフンだけでなく、漢字やひらがな、カタカナ、ハングル、キリル文字、アラビア文字など、非英語圏の文字も使えるようにしたドメイン名のことをいいます。この規格に基づいて、日本語(漢字)文字を利用できるようにしたドメイン名のことを「日本語ドメイン名」といいます。

IDNの日本語ドメイン名を入力してWebサイトにアクセスすると、ブラウザーが自動的にドメイン名の文字列を、英数字やハイフンから成る既存のDNS(ドメインネームシステム)で処理できるドメイン名に変換します。変換されたドメイン名を従って、従来と同様の方法でDNSへ問い合わせます。このため、「日本語ドメイン名」を使うには、Webブラウザがこの仕組みに対応している必要があります。 IEはバージョン7以降が対応しています。

例えば味の素の場合、通常のドメイン名は http://www.ajinomoto.co.jp/ となりますが、国際化ドメイン名は http://味の素.jp/ となります。国際化ドメイン名は「.jp」以外にも「.cnや.hk」などが実用化されています。

ドメインに関する団体

  • ICANN アイキャン
    Internet Corporation for Assigned Names and Numbers
     IPアドレスの割り当て、DNSやルートサーバーの管理、各種プロトコルの運用業務を行う米国の非営利民間組織です。com、org、netなどの一般トップ・レベル・ドメインの申請・登録の業務は、ICANN公認のドメイン登録事業者がおこなっています。
  • InterNIC インターニック
     かってcom、org、netなどの一般トップ・レベル・ドメインや米国、アフリカなどの属する国のドメイン名を登録・管理していた団体です。現在は、ICANNの管理下でおこなっています。
  • JPNIC ジェーピーニック
      japan Network Information Center
     「社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター」の略称です。ドメイン名の調査・研究・運用・管理などをおこなっている機関です。現在、「jp」ドメイン名のIPアドレス管理は株式会社日本レジストリサービス(JPRS)に委託されています。
  • JPRS ジェイピーアールエス  Japan Registry Service
     「株式会社 日本レジストリサービス」の略称です。「jp」ドメイン名の登録管理業務や「jp」のネームサーバーを運用しています。「jp」ドメイン名の申請はJPRS公認の申請登録事業者を通しておこないます。
nw16.ドメインネームシステム