nw08. インターネットへの接続方式

  • 電話回線接続
  • ISDN回線
  • ADSL回線
  • FTTH回線

現在インターネットへの接続はFTTH(光回線)が主流ですが、従来の電話回線使うダイヤルアップ接続、ISDN回線,ADSL回線が利用できる場合もあります。いずれも低価格な接続回線サービスとして提供されています。プロバイダ(ISP)により利用できる内容が異なります。既に電話回線使うダイヤルアップ接続は廃止したところもあれば、、FTTH(光回線)契約の付加サービスとして利用できるところもあります。

電話回線使うダイヤルアップ接続

パソコンとモデムを接続し、モデムと電話線のモジュラージャックを通常の電話ケーブルでつなぎ、「ダイヤルアップIP接続」という方式を使います。Windows XP機にはモデムを標準装備している機種があります。この場合は電話のモジュラーケーブルを用意するだけで済みます。ご使用機種のマニュアル仕様書で確認してください。

ISP(プロバイダ)とは電話回線を使用する「ダイヤルアップIP接続」の契約をします。契約後、送られてくるアクセスポイント(電話番号)、接続先IPアドレス、ユーザーID、パスワードをもとに、Windowsの「新しい接続のウイザード」で「ダイヤルアップIP接続」を選択して設定をおこないます。

電話回線を使用するダイヤルアップIP接続では通常の音声通話の回線を使います。従って、インターネットを利用している間、音声通話はできません。お話中になります。ISND接続とADSL接続はお話中になりません。

電話回線使うダイヤルアップ接続は、現在のインターネット環境には適しませんが、モデムを標準装備している機種であれば非常時の手段として使うこともできます。ただし、ダイヤルアップ接続の新たな契約を打ち切ったプロバイダもあれば、FTTHの付加サービスとして利用できるプロバイダ、単独で契約しなればならないプロバイダもあります。ご契約プロバイダまたは契約予定のプロバイダにご確認ください。

モデム MODEM  MODulator and DEModdulator

電話の音声通話はアナログ信号でおこなっています。パソコンはデジタル信号ですので、アナログ信号とデジタル信号を変換する通信装置が必要になります。これがモデム(MODEM)です。モデム(MODEM)はMODulator(変調器)と DEModdulator(復調器)の略です。

ダイヤルアップIP接続

ダイヤルアップIP接続は利用時のみ一時的に接続する方式です。インターネットに接続しているコンピューターを識別するためのユーザー側のIPアドレスは、接続のたびにプロバイダーのDNSサーバーから自動的に割り当てられます。このために使うプロトコルを「PPP」といいます。

ADSL接続やFTTH接続では「PPPoE」というプロトコルを使いますので、Windowsでの設定が異なります。

ISDN回線による接続  アイエスディーエヌ
  integrated services digital network

「ISDN」は「総合デジタルサービス通信網」といいます。ひとつのデジタル回線を使い音声通話やFAX、データ通信などを効率的に伝送する方式です。ダイヤルアップIP接続を使いますが、アナログ回線とモデムを使うより高速な伝送ができます。

基本ソフト(OS)の接続設定は電話回線を使ったダイヤルアップIP接続と同じです。ただし、ISDN接続にはモデムではなく、DSU内蔵のターミナルアダプタ(TA)という装置を使います。購入するか、プロバイダからレンタルすることになります。

ターミナルアダプタ(TA)とパソコンは主にRS-232Cケーブルで繋ぎますが、現在のパソコンにはこの端子が付いていませんので利用できません。DSU内蔵のターミナルアダプタ(TA)も市販されていません。プロバイダがレンタルしている場合で、且つWindows XP機でRS-232Cが付いている場合です。

実質、使われなくなった回線方式です。

DSU

「ディーエスユー(digital service unit)」はISDN回線を使うために必要な回線接続装置(アダプター)です。

ターミナルアダプタ(TA)

「ターミナルアダプター(terminal adapter)」はISDN回線用のモデムです。一般には、パソコンやアナログ電話機、アナログモデムなど、ISDN回線への接続機能を持たない機器をISDN回線に接続できるようにする装置です。

ISP(プロバイダ)とはISDN回線による接続契約をします。ISDN回線を利用するには電話回線をこの方式に変更する必要があるため、接続契約とは別にNTTの回線切り替え費用がかかります。また、ADSLを利用する場合は元に戻す必要があるため、このときにも回線切り替え費用がかかります。

ADSL回線の接続  エーディーエスエル
  asymmetric digital subscriber line

電話回線(銅線)を使って高速なデジタル通信をする方式を「DSL」といいます。実現技術が複数あるため「x」冠して「xDSL」と呼びます。「ADSL」はその中のひとつです。

「xDSL」は「非対称デジタル加入者線」といい、電話局から利用者方向(下り)と利用者から電話局方向(上り)の通信速度が非対称(asymmetric)になっています。同じではありません。

また、転送速度は局からの距離や回線施設状態に影響されるという弱点があります。プロバイダのWebページに詳細な解説が掲載されていますのでご確認ください。

使用通信機器

ADSLを使うにはスプリッタ、ADSLモデム、LANボード(カード)が必要になります。LANボード(カード)は、現在ほとんどの機種が標準装備していますが、スプリッタとADSLモデムは購入するかプロバイダからレンタルすることになります。

ADSL回線の利用が可能になったら、モジュラージャックにスプリッタを接続し、スプリッタのMODEMUなどの表記のあるジャックとADSLモデムを接続し、PHONEとある方は電話機を接続します。これらの配線は通常の電話モジュラーケーブルでおこないます。ADSLモデムとパソコン間はLANケーブルでパソコンのLANボード(カード)のジャックに接続することになります。

各回線の接続と設定は必ず、回線契約業者やプロバイダから送付されるマニュアルをご覧ください。ADSLでもIPフォーンなど利用するサービスなどにより、使用するADSLモデムのタイプが異なります。また、細部の接続や設定は回線業者により異なる部分があります。

一般の方がマニュアルを見ておこなうには無理な部分もあります。ADSLでインターネットを始めるときは、接続契約申し込み時に「接続設定のサービス」があるか確認してください。あれば申し込むことをおすすめします。パソコンの販売店でもおこなっています。

スプリッタ

ADSLでは通常の電話回線を使いデータ通信をおこないますが、音声通話に使う周波数帯域より高い周波数帯域を使いおこないます。このため、1本の電話線で音声通話とADSLの両方が同時にできます。ただし、1本の電話線を使っていますので、これを分離するためにスプリッタという機器が必要になります。

ADSLモデム  エーディーエスエルモデム  ADSL modem

ADSLを使うために設置するモデムです。基本的な動作は電話回線で使うモデムと同じです。デジタル信号をアナログ信号に変換したり、その逆をおこないます。

LANボード

「LANアダプター」や「ネットワーク・インタフェース・カード(NIC)」とも呼びます。パソコンをLANネットワークに接続するための拡張ボードです。一般の方が使うLANボードは10BASE-T/100BASE-TX/1000baseTXに対応したイーサネット用のものです。現在の市販パソコンには、通常このタイプのLANボードを標準装備しています。

PPPoE  ピーピーピーオーイー
  point to point protocol over Ethernet

イーサネット型のLANを経由してコンピューター同士をで接続する技術を「PPP」いいます。PPPは1本の回線上に接続を確立するプロトコルですが、PPPoEはイーサネットを含む複数回線上に接続を確立するプロトコルです。ADSLサービスなどでは、ユーザーの認証やIPアドレスを割り振りに使います。

FTTH ファイバー・ツー・ザ・ホーム  fiber to the home

「一般家庭に光ファイバー使った高速デジタル通信網を普及する」という通信ネットワーク構想をいいます。また、一般利用者とインターネットを光ファイバー通信網で接続するサービスの名称としても使われます。

NTTが提供する光ファイバーによる高速デジタル通信の定額サービスをBフレッツ(ビーフレッツ)といいます。各ISPは光ファイバー通信網の回線業者と提携してサービスを提供しています。多くのプロバイダでは光ファイバーによる高速デジタル通信の定額サービスを「光」と呼んでいます。

FTTHでは最大100Mbps通信が可能です。ADSLと異なり距離に影響されることがなく、上り下りの通信速度も同じです。以前は、光ファイバー回線をひくために工事費が掛かるなど、ADSLに比べると割高なため普及していませんでしたが、現在は工事費は無料になっています。

一般家庭の場合は、屋内に引き込んだ光ファイバー回線にメディアコンバータつけ、メディアコンバータのLAN端子にパソコンやルータを接続して使います。

FTTHはマンションタイプと一戸建てタイプがあります。マンションタイプは個人では契約できません。マンションによってはFTTH回線が施設済みになっている場合もあります。この場合はマンションの管理者が指定されたプロバイダと契約することになります。

⇒ 詳しくは「光回線契約と接続形態(機器設置)のポイント」をご覧ください。

ADSLやFTTHのサービスには固定IPアドレス接続(常時接続)のサービスもあります。通常のADSLやFTTHのサービスとは異なる固定IPアドレスの契約が必要です。ユーザーとプロバイダ間は固定IPアドレスで常時接続された状態になります。常時接続には利便性もありますが、ユーザー側にも不正アクセスに対する高度なセキュリティ対策が必須です。

通常契約のADSLやFTTHは固定IPアドレスの常時接続形式ではありません。パソコンを終了したり、切断操作をすると切れます。パソコンを起動したり、接続操作をするとグローバルアドレスが新たに割り当てられます。

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