nw05. 有線LANのIEEE802.3(Ethernet)

  • イーサーネット型(LANIEEE802.3)
  • 有線LAN接続のポイント

一般家庭でパソコンのLANを組むには「有線/無線/PLC」の3つの方法があります。「有線」はネットワークケーブルとハブを使う方法です。「無線」は親機ルーターと子機アダプタで無線通信する方式です。PLCは一般ユーザーが利用するには時期尚早と思われますので除外します。

それぞれの方法に利点・欠点があります。有線が最も安定した且つ安全な方式ですが、一般家庭にネットワークケーブルを施設するのは問題があります。一般ユーザーは利便性から無線になりますが、通信の安定性とセキュリティ上の問題があります。

有線LANのIEEE802.3(Ethernet)方式

民間企業などが策定したEthernet(イーサーネット)規格を、IEEE(米国電気電子技術者協会)が標準化したものをIEEE802.3標準といいます。EthernetとIEEE802.3は一部異なる部分もありますが、ほぼ同じ内容なので、一般には同義語として取り扱われます。

イーサーネット型LAN伝送路の信号制御には、CSMA/CD(搬送波検知多重アクセス/衝突検出)という方式を使います。使用するケーブルの種類、伝送速度、転送方式などにより規格があります。下記は現在主に使われているものです。かっては10BASE-2、10BASE-5、10BASE-T、10BASE-Fなどの規格もありましたが消滅しました。

 伝送速度方式セグメント使用ケーブル
100BASE-T4100Mbpsベースバンド100mツイストペアケーブル(UTP)
100BASE-TX100Mbpsベースバンド100mツイストペアケーブル(UTP)
100BASE-FX100Mbpsベースバンド-----光ファイバー
1000BASE-T1Gbps ベースバンド100mツイストペアケーブル(UTP5e)
1000BASE-TX1Gbpsベースバンド100mツイストペアケーブル(UTP6)
1000BASE-X 1Gbpsベースバンド-----光ファイバー

100BASE-TXと100BASE-FXを100BASE-Xと呼ぶこともあります。

CSMA/CD方式 シーエスエムディーシーディー
  Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection

「伝送路」とは接続回線のことをいいます。「搬送波検知多重アクセス/衝突検出」は、伝送路の空きを確認しながら送信します。他の送信と衝突(コリジョン)した場合は間隔をおいて再送信します。伝送路の使用頻度が高くなると衝突が頻繁に起きるため伝送性能が低下します。主にイーサーネット型のLANで使います。LANで使う制御方式には他に「トークンパッシング」と「TDMA」という方式もあります

LAN規格記号の読み方

IEEE(米国電気電子技術者協会)では標準LAN記号の表記を統一しています。

  • 「100」は100Mbsを意味します
  • 「BASE」はベースバンド方式,「BROAD」はブロードバンド方式を意味します
  • 「2」は伝送距離185m(論理上200m),「5」は伝送距離500mを意味します。
  • 「T」はツイストペアケーブル,「F」は光ファイバーを意味します

⇒ 「ハブ」「LANケーブル」は[ネットワーク機器とケーブル]に解説

⇒ 「ベースバンド方式とブロードバンド方式」は、[通信回線と方式の基礎知識]に解説

有線LAN接続のポイント

パソコンLANは電話のように物理的な接続ができれば即利用できるようにはなりません。初回設定では、Windowsのネットワーク・セットアップ・ウイザードが正常に終了してもしばらくしないと他の機器(パソコンなど)を認識しません。ユーザーのネットワーク利用環境によりますが10分前後かかることもあります。

LANは相手のパソコンの電源が切れていれば繋がりません。接続設定で一度繋がると、相手のパソコンの電源が切れいても該当パソコンのアイコンが表示されていることがあります。該当パソコンのアイコンをクリックするエラーメッセージがでて消えてしまいますが、これは異常ではありません。

逆に電源を入れても該当パソコンのアイコンが表示されない場合もあります。このような場合は、マイネットワークまたはネットワークのウインドウを開いたまま、F5キーを数回ポンポンと押して様子を見てください。

Windows XP以降のピアツーピア型LANでは、それぞれのパソコンがサーバーとクライアント両方の役目をしています。LANの構築情報は15分から20分おきに自動更新されます。手動で設定を変更しても構築情報が全体に反映するまでには時間がかかります。

留意点

  • 現在のパソコンはネットワーク端子(LAN端子)を標準で装備していますのでマニュアルで場所を確認してください。通常本体背面にありますが、ノート型では横にあるものもあります。
  • 「有線LAN」はネットワークケーブルとハブを購入するだけで組むことができます。2台のパソコンでLANを組み場合はクロスケーブルで直接繋ぐことができます。インターネットを利用することはできません。
  • インターネットの接続には有線ブロードバンドルータが必要です。有線ブロードバンドルータには3つから4つのLAN端子の空きがあります。これを利用すれば空き分の台数機器が接続できます。
  • ケーブルはカテゴリ5以上で、「10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tx/1000BASE-TX」に対応するものを使います。やや高くなりますが,一般家庭ではフラットタイプのケーブルをおすすめします。
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