nw04. LAN(Local Erea Network)

  • LAN(Local Erea Network)とは
  • イーサーネット型(LANIEEE802.3)
  • 無線LAN(IEEE802.11)

LANは、その必要性から企業で普及したコンピュータネットワークです。当初、企業で導入されたコンピュータネットワークはメインフレームという大型コンピュータに端末のパソコンを繋ぐ集中管理方式のシステムでした。業務処理のコンピュータ依存度が高くなると、処理に時間が掛かるようになり、処理待ちという問題が起きます。こうした状態を解決するために考え出されたネットワークシステムがLANを使ったクライアントサーバーシステムです。

近年、一般家庭でもパソコンとインターネットの普及に伴いコンピュータネットワークを取り扱うようになりました。一般ユーザーがパソコンで取り扱うコンピュータネットワークには「LAN」と「インターネット」がありますが、一体化した形式で使うため一般ユーザーには分かり難い面がありました。

現在は、インターネット技術の普及によりLANとインターネットは融合し一つの回線として認識されようになりました。

LAN(ラン)とは

「LAN(ラン)」は「ローカル・エリア・ネットワーク(Local Erea Network)」の略で、「構内情報通信網」といいます。オフィス内、ビル内、家庭内など比較的狭い範囲に施設する私設のコンピューターネットワークシステムをいいます。「プライベートネットワーク」とよばれることもあります。日本では同一敷地内という規定があり、公道をまたいで施設することはできません。

LANを施設することにより、複数のパソコン間でデータのやり取りができ、プリンターなどの周辺機器を共有することができます。通常、企業ではLANを使ってクライアントサーバーシステムを構築し、インターネットの技術を利用したイントラネットによりグループウエアを導入します。

一般個人ではブロードバンドルーターなどを使いLANを組み、家庭内の複数のパソコンでインターネットを利用したりします。また、ホームサーバーを使いマルチメディアのコンテンツをインターネットでダウンロードし、これを家庭内のパソコンなどのデジタル機器で利用することも行われるようになりました。

LAN(ラン)の規格

現在、一般ユーザー使うLANには、有線LANのIEEE(Ethernet)方式」と無線LANの「IEEE802.11方式」があります。有線LANではネットワークケーブルを施設する必要があるため一般家庭には不向きです。一般家庭には無線LANが適しますが、電波通信であるため盗聴のセキュリティ対策の問題があります。また、電波には特有の性質があるため無線LANにはIEEE802.11a/b/g/n/ac/axの6つの規格があります。

さらに、最近発売さる機種の多くはネットワークアダプタを標準装備していますが、この装置の規格対応範囲が問題になります。

2010年以前に発売されたものであれば「IEEE802.11a/b/g」、それ以後発売されたものは時期によりまちまちになります。「IEEE802.11a/b/g/n」、「IEEE802.11b/g/n/ac」、「IEEE802.11n/ac/ax」などがあり、購入時に対応を確認する必要があります。

古いノートパソコンでは「IEEE802.11a/b/g」にしか対応しないものもあります。現時点(2025年1月)では、一般ユーザーが有線LANを使う場合はこの規格の問題に注意する必要があります。

LANの運用形態と接続台数

LANには、接続形態(トポロジ)/アクセス方式/伝送路(回線)などの規格があり、使用する機器や接続方式、台数などの規定があります。

通常LANはネットワークOS(Windows Serverなど)をインストールしたサーバーを設置し、LAN上の他のパソコン(クライアント)をサーバーで管理する方式で構築します。現在、標準的に使われるIEEE802.3(Ethernet)方式では、ひとつのLANに約240台のパソコンを接続できます。LANは複数グループを作り、LAN同士をつなげることができます。

上記方式のLANを組むにはネットワークシステム構築に関する知識が必要です。一般個人がLANを構築する場合(10台以内)は、Windows XP以降が標準サポートしているピアツーピア型のLAN機能を使います。ただし、サーバーを設置する形式とは異なり詳細なアクセス権制御はできません。各パソコンが対等な関係でネットワークに繋がる方式になります。

ピアツーピア型LAN  peer to peer LAN

もっとも簡単なLANのシステムは、2台のパソコンをLANクロスケーブルケーブルで直接つなぐ場合です。2台のパソコンが対等な関係で繋がるLANで、「ピアツーピアLAN」と呼びます。専用のサーバーを必要とせず、接続されたパソコンは互いにサーバーとしてもクライアントとしても動作します。

Windows XP以降では10台前後までのピアツーピアLANの機能を標準サポートしています。現在のパソコンはLANカード(ネットワークカード)を標準装備していますので、ストレートケーブルとバフを購入すれば、複数台のLANを組むことができます。接続設定もWindowsのネットワークセットアップウイザードできますので、一般の方でもおこなうことができます。

「P2P(ピアツーウピア)」という用語について

「P2P(ピアツーウピア)」という用語は、ネットワークに対等な関係で接続してる状態を表す用語として使われます。「インターネットを介して不特定多数の個人が直接データのをやり取りすること」や「時間のかかる処理を多数のユーザーがインターネット使い分散処理すること」を意味して使う場合もあります。

Windowsのネットワーク機能

Windows XP,Windows Vista,Windows 7はネットワークOS(基本ソフト)ではありません。ネットワークシステムではクライアントで使うOS(基本ソフト)です。ただし、ピアツーピア型のLAN機能をサポートしているため、フォルダを公開したり、接続機器を共有したりすることができます。

このネットワーク機能はWindows独自のものですので、厳密なLANの規格とは異なる部分があります。また、サーバーを設置したときのような詳細なアクセス制御はできませんので、家族内、小規模オフィス内などの利用になります。

Windowsでは「LAN」の技術を使うものに「LAN」という用語は使わず、「公開フォルダ、共有フォルダ、ネットワーク共有」など用語が使われています。パソコンではインターネットとLANを一体化して取り扱うためパソコンのネットワークという形式で一つにまとめています。

かって、マイクロソフト社が家庭およびSOHO向けに開発したサーバー用OS(基本ソフト)の ウィンドウズホームサーバー(Windows Home Server)がありましたが、2013年1月8日にメインストリームサポートが終了しました。現在、パソコン一般使用者に必要と思われるネットワーク機能はWindowsに標準で搭載されいます。

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