hd29. 音響装置

  • パソコンの音源
  • FM(エフエム)音源
  • PCM(ピーシーエム)音源
  • MIDI ミディ
  • パソコンの音響装置

パソコンには当初より「音響出入力端子」と「マイク入力端子」は標準装備していましたが実用にはなりませんでした。しかるべき再生ソフトがなく、音響に関するデータ形式も定まっていませんでした。32ビットパソコンの出現により状況が大きく変わります。光ディスクメディアの装置が標準装備されるようになり、音響端子と映像端子のオーディオ端子を標準装備するようになりました。

現在は、従来の映像・音声のオーディオ端子ではなく、新しいオーディオ端子の「HDMI(エイチディーエムアイ)」が標準装備されるようになりました。従来の映像・音響のオーディオ端子とは互換性ありません。接続できませんのでご注意ください。現在のパソコンは、一部のビジネス専用機を除き、ほとんどの機種にサウンド・ビデオ機能が標準搭載されています。スピーカ、マイク、ビデオなどのオーディオ機器の出入力端子を装備しています。マニュアルやカタログの仕様書でどのような音響装置が使えるか確認してください。

ただし、パソコンでは物理的な装置を用意しただけではサウンド・ビデオは楽しめません。サウンド・ビデオを再生するソフトウエアが必要になります。Windowsには標準で「Media Player」という「映像・音響」再生ソフトが付属していますが、プリインストール機には他にもいろいろな「映像・音響」再生ソフトが付属していますので確認してください。

また、「サウンド・ビデオ」のデータ形式は複数ありますので、使用する「サウンド・ビデオ」再生ソフトで取り扱えるデータ形式を確認する必要があります。スマホの普及とともにMP3規格が普及しましたが、この形式はビデオデータを取り扱うことができないため、その役目が終わりました。

サウンドボード  sound board

かって、パソコンには音を発生させたり、取り込む機能はありませんでのでした。拡張スロットにサウンドボードを着装し、音源を作り出力したり、外部からの音を取り込み(入力)できるようにしました。

現在のパソコンは「サウンドボード」という音響用の拡張ボードを標準装備していて、これらの音源が利用できるようになっています。最近は、ボードではなく「サウンドチップ」を内蔵している機種も多くなりました。

サウンドボードにはスピーカー端子、ヘッドホン端子、マイクロホン入力端子などを装備しています。MIDI規格の音源やパソコンゲームに使うジョイスティックの接続インタフェースを備えているものもあります。代表的なサウンドボードに「Sound Blaster」があります。

サウンドチップ  sound chip

サウンドボードと同じ音響機能をもつ専用のLSIです。通常、サウンドチップはサウンドボードに搭載されていますが、最近は本体内のマザーボードに取り付けられていることが多くなりました。

パソコンの音源

当初、パソコンの音源は圧電ブザーを使った単純なビープ音しかだせませんでした。現在はPCM音源とFM音源を使います。

FM(エフエム)音源

複数の発信器が出す正弦波を周波数変調して音を発生させる装置です。電子的単調な音ではなく、自然音に近い音をだすことができます。ゲームの効果音や携帯電話の着信メロディーなどに使われます。以前、パソコンの音源はFM音源が中心でしたが、現在はPCM音源を使うことが多くなりました。

PCM(ピーシーエム)音源

PCM(パルス符号変調)方式でデジタル録音したものを、アナログ変換して再生する音源です。PCM(パルス符号変調)方式は、音のアナログ信号を一定の周期で切り出し(サンプリング)、その信号を量子化してデジタル信号に変換します。切り出す周期を「サンプリングレート」といいkHz(キロヘルツ)で表し、量子化はビットで表します。

サンプリングレート(切り出す周期)が短く(周波数が高い)、量子化が細かいほど、原音に近いよい音質を再現できます。ただし、サンプリングレートを上げると、作られるデジタルデータの容量が増えます。下げると高音域のデータが欠落することになりす。目的に応じた適切なサンプリングレートがあります。

標準的なデジタル録音の音楽用CDでは、サンプリングレートは44.1kHz(1秒間に4万4100回の切り出し)、量子化は16ビットでおこなっています。サウンドレコーダーなど音響関係のソフトウエアではサンプリングレートを使用者が設定できるようになっています。

PCM音源では音のデジタルデータが作られることになりますので、パソコンで記録媒体に保存(コピー)したり、編集加工することが可能になります。また、デジタルデータ(2進数の数値)ですので、この数値を変えない限り編集加工により音質が劣化することはありません。

MIDI ミディ  musical instruments digital interface

シンセサイザーなどの電子楽器やMIDI装置とコンピューターを接続するインタフェースの規格のことをいいます。また、この規格に対応したデジタル音楽データをさすこともあります。日本の楽器メーカーが中心になって策定した規格です。現在は、ほとんどの電子楽器がMIDI規格に対応していて国際標準規格になっています。

MIDI規格に対応した電子楽器装置のことをMIDI音源といいます。MIDI音源はソフトウエアで実現することもできます。MIDI音源を活用するためのパソコンソフトウエアも数多く市販されています。MIDIのデータはパソコン用のMIDI音楽ソフトを使って保存、作成、編集ができます。MIDI規格のデータではSMF(standard MIDI file)ファイル形式を標準で使います。WindowsのMedia Playerで再生できます。

GM ジーエム  general MIDI

MIDI音源の標準規格です。現在の規定はGMレベル2です。以前、GMには、ヤマハが提唱するXG(エックスジー)とローランドが提唱するGS(ジーエス)という拡張上位互換の規格がありました。現在は統一化されています。

DTM ディーティーエム  desktop music

ディスクトップミュージックの略で、パソコンを利用して、音楽を聞いたり、演奏、作曲、アレンジなどをすることをいいます。

パソコンの音響装置

マイクとスピーカー

マイクとスピーカーともに、ボードの該当端子に接続します。パソコン用のスピーカーには本体から電源を取るタイプとACコンセントが付いているタイプがあります。単体の市販液晶ディスプレイにはスピーカーを内蔵しているものもあります。通常、スピーカーにはON,OFFのスイッチやボリュームが付いていますが、これらのないものもあります。ボリュームはキーボードにあるボリュームのキーを使ったり、Windowsのタスクトレイにあるスピーカーアイコンで調整します。また、単位で市販されているスピーカーには、パソコン本体の電源ON,OFFを自動的に感知して動作するものもあります。

パソコンでの音響設定

パソコンでの音響設定はコントロールパネルのオーディオデバイスのプロパティーで行います。オーディオデバイスのプロパティーについては「Windowsの基本知識」の「サウンド設定」をご覧ください。

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