被写体を光学的に感知しデジタルデータに変換するカメラです。通称「デジカメ」といいます。デジタルビデオカメラと判別するときには「デジタルスチルカメラ」と呼びます。「スチル still」とは「静止画」の意味です。
デジタルカメラはCCDやCMOSなどの撮像素子(受光素子)で光を感知して、点の集合に置き換え、デジタル画像データを作り記録保存します。撮影したものはデジタルカメラに着装されいるメモリーカードまたは内蔵メモリーに保存されます。
「ドット」は「単なる点」を意味しますが、「ピクセル」は「色情報を持つ点」を意味します。同じ意味と解釈して差し支えない場合もあります。画像処理ソフトの設定画面では「ピクセル」を使用しています。マニュアルなどの解説では状況により「ドット」が使われていたり、「ピクセル」が使われいたりします。
当初、デジタルカメラは解像度(画質)の競争でしたが、一般ユーザーが使用するタイプのものは限界になり、手ぶれ防止機能や簡易動画機能など実用的付加機能の競争になりました。スマホ機種の販売競争からデジタルカメラ機能を内蔵するものが現れ、一般使用者用の小型でしたルカメラの時代は終わりました。 現在はカメラ趣味趣向の世界で一眼レフデジタルカメラが普及しています。
デジタルカメラの心臓部
CCD 電荷結合素子 Charge Coupled Device
電荷結合素子といい、光を電気信号に変換する半導体素子です。受光素子または「撮像素子」ともいいます。イメージスキャナーやデジタルカメラで使われます。
CMOS(シーモス)イメージセンサー
CMOSタイプのLISをもちいた撮像素子です。CCDより、消費電力が少なく、製造コストが安いという特徴があります。当初はCCDより画質が劣るためため、おもちゃデジカメに使われましたが、現在は、画質のよいものが開発され通常のデジタルカメラにも使われています。
撮像素子の大きさ
撮像素子の大きさは従来のコンパクトカメラ、コンパクト一眼レフ、デジタル一眼レフで下図のような違いがあります。同じタイプでもメーカーや機種により大きさは多少異なることもあります。

デジタルカメラのタイプ
かって一般ユーザーが使うデジタルカメラは軽量小型のコンパクトタイプのものでした。一眼レフタイプのももありましたが高額でした。最近は、撮影素子の技術改良が進み35mm同等の大きさや画質を出せるようになり、価格も一般ユーザーが手の届く範囲になりました。一般ユーザーでカメラを趣味とする方がデジタル一眼レフタイプを使うのが普通になりました。
2010年からは、今までのデジタル一眼レフとはファインダー機構の異なるコンパクト一眼レフ(マイクロ一眼、ミラーレス一眼)が多く発売されました。また、従来型コンパクトタイプのデジタルカメラは撮影素子など物理的性能は技術的に限界に来ていると言われ、今後は手ぶれ防止機能や顔認識機能などソフト的に実現できる使いやすさの改良が中心になります。



コンパクト一眼レフ(マイクロ一眼、ミラーレス一眼)にはファインダーがありません。従来のデジカメのように背面の液晶に表示されます。


デジタルカメラのインターフェース
記録保存した画像データはパソコンに転送(取り込み)し、アルバムソフトで整理したり、フォトレタッチソフトで加工したりします。転送(取り込み)はメモリーカードを取り外して、メモリーカードリーダーという機器に着装しておこなう場合と、デジタルカメラとパソコンをケーブルで接続して転送する方法があります。
最近のパソコンではメモリーカードのスロットを標準装備しているものもあります。また、プリンタにもメモリーカードのスロットを装備しており、パソコンを使わなくても印刷できるものがあります。パソコンのマニュアル、プリンタのマニュアルで確認してください。また、デジタルカメラのマニアルでどの方法が利用できるかも確認してください。
デジタルカメラの性能
性能は撮像素子(受光素子)の取り扱える画素数で表します。CCDは画素数が増えるほど、高精細な画像を作ることができます。現在、300万画素以上のものが多数発売されており、500万画素のものもあります。デジタルカメラは画素数が大きいほど、作られる画像データは鮮明になりますがサイズが大きくなります。標準的なものでは以下のようになりますが、機種により多少異なります。
- 130万画素では1024×768ピクセル
- 200万画素では1600×1200ピクセル
- 300万画素では2048×1536ピクセル
デジタルカメラのCCD画素数と記録される画像の画素数は一致しません。200万画素では1600×1200ドットの画像が作られますが、1600×1200=1,920,000で200万にはなりません。この大きさを「有効画素数」といいます。CCDの物理的な縦横の比率と実際に画像が作られるときの縦横の比率が異なるためです。
撮像素子が備えている画素の総数を「総画素数」、作られた画像を構成する画素の総数を「記録画素数」といいます。現在は、日本写真機工業会(JCIA)のガイドラインに従い、撮像素子の画素数表記は、「有効画素数を優先して表記する」ことになっています。マニュアルで有効画素数を確認してください。
現在一般の方が使用するプリンタではA4以上の大きさで出力しないと300万画素以上の差は明確にはでません。これはプリンタの出力解像度が関係するためです。また、ホームページに使用する場合は、デジタルカメラで撮ったままでは大きすぎ、画像処理ソフトで縮小する必要があります。現在のデジタルカメラには、用途や被写体に応じた各種の撮影モードがあります。
デジタルカメラのデータ形式
デジタルカメラのデータは点の集合に置き換えられた画像データです。通常、JPEGという画像ファイル形式になっています。デジタルカメラには写した写真(画像)を整理・管理するためのソフトが付属していることもあります。
デジタルカメラで写した画像は転送すると、小さくすべて同じ大きさで表示されます。これは実際の大きさではありません。ソフトでは整理しやすいように、元の画像を一定に大きさに小さくして表示しています。この画像のことを「サムネイル画像」といいます。Windowsでは、メニューバー[表示][縮小表示]を選択すると、画像ファイルをこの形式で表示します。
JPEG ジェイペグ Joint Photographic Experts Group
ISO(国際標準化機構)とITU(国際電気通信連合)が共同設立したカラー静止画像の圧縮方式を標準化する団体、および、この団体の策定した圧縮規格をいいます。一般的には画像ファイルの形式名として使われています。
実質的な国際標準規格になっていて、多くの画像処理ソフトウエアがサポートしており、デジタルカメラの画像データの記録にも使われています。他の画像ファイル圧縮形式より、画質がよく、高い圧縮率を指定することもできファイル容量を小さくすることもできます。ただし、非可逆符号化方式の圧縮であるため、元に戻すことはできません。
画像処理ソフトでは、編集画像を元に戻した再編集が可能ですが、これはその画像処理ソフトの各機能で編集ができるように、いったんその画像処理ソフトの編集可能ファイル形式に変換されているためです。編集したものを保存するときは、そのソフトの編集可能ファイル形式か、JPEG形式か、GIF形式かなどの指定が必要になります。
ISO アイエスオー 国際標準化機構
工業や科学技術に関する規格を標準化策定している国際的な団体。
ITU アイティーユー 国際電気通信連合
国連の下部機関で本部はジュネーブにあります。通信に関する規格策定や周波数の割り当てなどを行っています。
デジタルカメラのデータ容量
データの容量はどのような撮影モードで、どのような被写体を撮影したかで変わります。デジタルカメラのマニュアルには必ず、撮影モードと画像の大きさ、容量の一覧が載っていますで確認してください。
被写体や保存データ形式にもよりますが、200万画素のデータ(1600×1200ドット)画像は、JPEG形式の圧縮画像データになっている場合で、600KBから1MBぐらいの容量があります。圧縮されない形式であれば、4MBから5MBもあります。
200万画素のデジカメ画像は1600×1200ドットの画像です。現在のディスプレイは1280×1024ドットぐらいが標準ですので、画面内に収まりきれません。デジタルカメラのデータをメールに添付する場合はデータの大きさや容量を確認してから送信してください。
Exif イグジフ exchangeable image file format
現、電子情報技術産業協会(JEITA)前身の日本電子工業振興協会(JEIDA)が規格化したデジタルカメラ用のファイル・フォーマットです。現在のデジタルカメラは標準でExif規格に対応しています。JPEG画像以外にサムネイル情報や撮影日、シャッター速度、絞りなどの各種撮影情報も格納されています。
Windows Vista,7ではこの情報を元に取り込んだ写真画像を整理することができます。また、最近はこの情報を基に編集作業ができるフォトレタッチソフトもあります。