hd24. DVD(Digital Versatile Disk)

当初「DVD(ディーブイディー)」は「digital Video disk」の略となっていましたが、ビデオ以外の用途にも利用するため「Digital Versatile Disk」の略となりました。本来、「DVD(ディーブイディー)」は大容量光ディスクの統一規格の名称でした。DVDの統一規格策定団体として「DVDフォーラム」が設立されましたが、規格採用問題から分裂し「DVD+RWアライアンス」が設立されました。このため、CDと同じように派生規格が乱立し、再生可能なドライブ(プレーヤー)とメディア規格の問題が起きました。このときの分裂状態がそのまま「ブルーレイディスク」と「HD DVD」の状況に引き継がれ、2008年初頭に大容量光ディスクは「ブルーレイディスク」を採用することで最終的に決着がつきました。

メディア(媒体)

基本的な原理はCDと同じですが、読み取りや書き込みに使うレーザー光の波長を短くすることなどで大容量を可能にしています。直径はCDと同じ12cm、厚さ12mmの光ディスクです。CDの記録面は片面1層みですが、DVDには標準となる片面1層(4.7G)以外に両面1層(9.4G)と片面2層(8.5G)があります。片面1層4.7GBものでMPEG2という形式の映像を最大135分収録できます。最近のパソコンはDVDも読み書きできるタイプのドライブを標準装備しています。

家電製品のDVDプレーヤーも普及したため、DVDメディア(媒体)には「録画ビデオ用」と「PCデータ用」があります。「録画ビデオ用」には著作権保護機能(CPRM)に対応したDVD−RWとDVD−RAM、対応しないDVD−RとDVD+RWがあります。

CPRM シーピーアールエム
 content protection for recordable media

CSおよび地上デジタルのコンテンツコピーが一度だけできる仕組みです。「コピーワンス番組」の記録にはCPRM対応のディスクが必要になります。

DVDメディアの種類

現在、パソコンで読み書きできるDVD系メディアにはDVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RW,DVD−RAM,DVD−ROMがあります。同じ種類でも片面2層タイプものには「DL(double layer)」略号がついています。

DVD−ROM

一般データ用を目的としたDVD規格です。CD系メディアのCD-ROMと同じような位置づけになります。同じように書き込みはできません。

DVD−R

CD-Rのような追記タイプのDVD規格です。DVD−RディスクはDVDプレーヤーやパソコンのDVD−ROM対応ドライブで再生が可能です。

DVD+R

DVD−R同様のデータ追記タイプの規格。「DVD+RWアライアンス」策定の規格です。

DVD−RAM

松下電器産業、東芝、日立製作所が提唱したデータ書き換え可能タイプのDVD規格のひとつです。当初、策定に参加したソニーやフィリップス社などはDVD+RWを提唱しています。また、パイオニアなど数社はDVD−RWを提唱しています。媒体はフロッピーディスクのようにケース入りです。

DVD−RW

パイオニアなど数社が提唱した書き換え可能タイプのDVD規格のひとつです。DVDフォーラムでも統一規格として承認されています。ディスクの書き換え可能回数が劣るめた、パソコンのデータ用には向きません。

DVD+RW

ソニー、ヒューレット・パッカード、フィリップスなどが提唱した書き換え可能タイプのDVD規格のひとつです。DVD−RAMと同じ記録方式ですが、独自の規格として提唱されています。

「DVDハイパーマルチ」ドライブであれば、上記すべての種類に対応します。ただし、対応速度は別問題です。カタログやマニュアルの仕様書で利用できるメディア種類と読み込み速度、書き込み速度を確認してください。

DVDの記録形式

DVD−Audio

音響分野での利用を目的とした規格です。以前、インターネット上にコピー防止機能を解除できる暗号解読カギが公開されるとい問題がありました。音のデータは品質が上げるとデータ量も増えるめた、CDよりも高品質の記録ができます。また、画像などを一緒に記録することもできます。同種の規格にソニー社の「スーパーオーディオCD」があります。

DVD−Video  ディーブイディービデオ

「DVDビデオフォーマット」と表記されていことがあり、映画などのコンテンツ配布を目的とした規格です。書き換えは可能なディスクですが編集や追記はできません。DVD-RAMでは使用できません。

DVD−VR(DVD Video Recording)  ディーブイディーブイアール

書き換え可能なDVDメディア(主にDVD-RAM、DVD-RW)で利用する映像記録方式。DVDフォーラムが規格化したもので「VR」と略すこともあります。従来のビデオテープのようにDVDディスクに記録ができるようになります。

この方式は主にテレビの録画用に使われ、家庭用DVDレコーダーで採用されていますが、映画タイトルはDVD-Video形式が多いためDVDプレーヤーよっては再生できない場合があります。

DVD+VR  ディーブイディープラスブイアール

DVD+RW用の映像記録方式で「DVD+RW Video Recording」ともいいます。DVD-VRと異なりDVD-Videoと互換性があります。DVD+RW対応ドライブやDVDプレーヤーで再生することができます。

「DVDドライブ」は主にパソコンなど付属する再生装置を指し、「DVDプレーヤー」は家電製品などの単独で動作が可能なものを指します。

ドライブ

CD系メディアとDVD系メディアの取り扱いには、「ドライブ」と「メディア」の対応という問題があります。最近の機種は、ひとつの光学ドライブで、CD系メディアとDVD系メディア(5種類)が利用できるスーパーコンボドライブを標準搭載しています。低価格機種にはDVD系メディアの書き込みができないコンボドライブや、DVD−RAMを扱えないデュアルドライブのものがありますので注意してください。

カタログやマニュアルの仕様書には利用できるメディア規格と読み込み、書き込みの速度が明記されています。必ずご使用機種の搭載ドライブでどの媒体のどの速度が使えるか確認してください。また、最近は高速対応ディスクが増えていますが、古い低速対応のドライブでは使用できませんので注意してください。

コンボドライブ  combo drive

DVD−ROMの読み取りができるドライブです。CD系メディアの読み、書きができはできますがDVDメディアの書き込みはできません。

スーバーマルチドライブ  super multi-drive

CD系メディアとDVDメディア(DVD+RとDVD+RW除く)の両方が読み、書きができるドライブです。現在はこのドライブが標準です。

DVDハイパーマルチドライブ  DVD hyper multi-drive

DVD-ROM、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAMに対応したドライブ「DVDマルチ」といい、DVD+RとDVD+RWの対応を追加したドライブを「スーバーマルチ」といい、さらにDVD-RとDVD+Rの二層記録(DL)にも対応したドライブを「DVDハイパーマルチ」といいます。

低価格な機種を購入するときは標準搭載のCD系・DVD系メディアのドライブ性能をよく確認してください。「DVD系メディアの利用ができない、読込はできても書込はできない、各メディアの取り扱える規格に制限がある」など機能の低いものが搭載さている場合があります。

CD/DVDドライブは呼び方が同じでもメーカーにより取り扱える規格が多少異なることがあります。また、名称が異なっても内容が変わらない場合もあります。必ず、カタログや該当メーカーのWebサイトでどのようなメディアの読み書きができるか仕様を確認してください。

DVDマルチ  DVD Multi

DVDの規格策定団体がDVDドライブ(プレイヤー)およびDVDメディアの互換性を保証するために策定した仕様です。この仕様を対応したDVDドライブには「DVD MULTI」のロゴマークが付いています。対応ドライブであれば、DVD-ROM、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAMの利用ができます。

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