「ディスク(disk) と メディア(media)」について
「ディスク(disk)」は円盤を意味する用語で,コンピュータで使うフロッピーディスクやハードディスクなど「円盤状の記憶媒体」を指します。物理観点の名称です。ただし,USBディスクなどのように円盤状でなくても「記憶媒体」という意味で「ディスク」を使うこともあります。
「メディア(media)」は「情報伝達媒体」を意味する用語で,ディスクと同じ「記憶媒体」の意味でも使います。フロッピーディスクやハードディスクは「ディスク」を使い,CD−ROMやDVDはコンテンツ配布を目的とした「記憶媒体」ですので「メディア」を用いることがあります。
現在光ディスクのCD,DVD,Blue rayはレガシーディスクとなります。Blue rayディスクについてはソニー社において生産中止になりました。現在,低価格機種においては光ディスク・ドライブは標準装備されなくなりました。
CD (Compact Disk)
「コンパクトディスク」
「CD(シーディー)」は「Compact Disk(コンパクトディスク)」の略です。CDには記録面の違いからCD−ROM,CD−R,CD−RWの規格があります。音楽用のものを「CD」,パソコン用のものは「CD−ROM」と呼び区別することもあります。
CDには用途観点の規格もあります。音楽専用のCDを「CD−DA(CD-Digital Audio)」といい,その規格をレッドブックと呼びます。パソコンに使うCD−ROMの規格は,レッドブックを一部拡張変更したものでイエローブックと呼びます。CD−RおよぴCD−RWの規格はオレンジブックと呼びます。
音楽用CDは,パソコンに音楽再生ソフトがインストールされていれば,パソコンのCDドライブで再生することができます。Windows XP,Vista,7ではMedia Playerが自動起動します。
光ディスク optical disk
CDようにレーザー光を利用するタイプの記録メディアをいいます。CD,DVD,MOなどがありました。MOは磁気も併用していますので「光磁気ディスク」といいました。
読み込み速度,書き込み速度
ドライブの読み込み速度と書き込み速度は,音楽CDの150kB/秒を基準に何倍の速度で動作するかで表します。メディアはドライブの読み込み速度と書き込み速度が適合した品質があります。現在は,一台のドライブで異なる規格のメディアが利用できますので,カタログやマニュアルの仕様書で利用できるメディアごとに読み込み,書き込み速度を確認してください。
読込(DVD-ROM○○倍速,CD-ROM/CD-R/CD-RW○○倍) 書込(CD-R○○倍速,CD-RW○○倍)
ハイスピードCD-RW(High Speedメディア)
4倍速以上の書き換えをおこなうには,この規格に適合したドライブとメディアが必要です。現在は,1倍速から4倍速,4倍速から10倍速などの製品がありますので,ドライブとメディアの対応を確認してください。ドライブ取り出し口の正面に,DVDまたはCOMPACT DISCのロゴが刻印されています。通常,この刻印の下部にrocordable,rewritable,R/RW,HighSpeedなどドライブのタイプが明示されています。
書込方式
書込みソフトは,CDやDVDにデータを書き込む前に,書き込むファイルやフォルダの集合を適切な形式のディスクイメージに変換します。このとき,一旦ハードディスクにイメージファイルを作成してからこれを読みながら書き込む方式と,イメージファイルを作らずにディスクイメージに変換しながら書き込む方式があります。後者を「オンザフライ書き込み」方式といいます。
オンザフライ書き込み
ハードディスクなどにイメージファイルを用意せずにダイレクトに書き込む方式をいいます。ハードディスクにイメージファイル用の領域を確保する必要がなく,変換にかかる時間も節約できるというメリットがありますが,変換が書き込みに追いつかないと「バッファアンダーランエラー」で失敗するというリスクもあります。
最近ではパソコンの処理性能の向上や,バッファアンダーランを防止する機構が普及したため,オンザフライ書き込みが一般化しています。
バッファーアンダーラン buffer underrun
書き込み時に起きるエラーを「バッファーアンダーランエラー」といいます。「バッファーアンダーラン防止機能」とは「書き込みエラー防止機能」のことをいいます。メディアへの書き込みは,データを一時的にためておくバッファーを通しておこないます。何らかの原因で本体からのデータ転送が途切れ,バッファー内のデータが空になるとエラーが発生します。原因は異常だけでなく,複数のソフトを利用しているときの割り込み処理といわれる動作が生じたときにも起きます。
バッファーアンダーランのエラー防止機能名称はメーカーごとに異なります。「BURN-Proof」,「JustLink」,「SafeBurn」など。単に「書き込みエラー防止機能搭載」などとなっている場合もあります。
ハイシエラフォーマット(highsierra format)とISO9660
OSが異なっても利用できるようにするCD-ROMの国際標準フォーマットです。当初,ソニー社やフィリップス社などが提案した「ハイシエラフォーマット」をISO(国際標準化機構)が標準規格化したものが「ISO9660」です。
現在CDを使うときのフォーマットは「ISO9660」が標準になっています。このフォーマットであればWinows機とMac機の両方で利用が可能です。
ISO アイエスオー
International Organization for Standardization
「国際標準化機構」の略称です。コンピュータも含め,工業製品や科学技術などの国際標準規格を制定している団体です。
CDの種類
CD-ROM シーディーロム compact disk read only memory
記録面にピット(浅い穴)をつくり凸凹にして,その面をアルミメッキし,透明な合成樹脂で覆ったものです。この面にレーザーをあてて,その反射光の変化をとらえ読み取りをします。ハードディスクのトラックは同心円上になっていますが,CDのトラックはセクタが繋がったらせん状になっています。記録は中心から外側へと行われます。
記録面は物理的な処理をしたものですので,書き込んだり,消去することはできません。専用の機械でプレス式の複製ができるため大量生産・低価格化ができます。ソフトの配布や各種コンテンツの配布に使われます。大きさは約12p,記憶容量は650MBものと,約8pの記憶容量200MBのものがあります。CD−ROMにはISO9660という国際標準フォーマットがあります。
CD-R compact disk recordable
シーディーアール
書き込みができるCDですが,一度書き込んだものは消去することができません。記録面にある有機色素の熱分解を利用して書き込み,この面にレーザーをあてて,その反射光の変化をとらえて読み取ります。有機色素は熱分解すると元には戻りませんので,書き換えたり,消去することはできません。
ただし,トラック・アット・ワンスやパケットライトという記録方式を使うことにより,記録面に空き領域(未使用領域)があれば,「追記」をすることができます。また,記録済み部分のデータを見せないようにすることができるので,更新データを追記し,以前のものを見えないようにすればデータを書き換えたようなイメージにすることができます。
大きさは主に12p(5インチ),記憶容量は650MBまたは700MBものがあります。
⇒ 「トラック・アット・ワンス」と「パケットライト」は「ライティングソフト」参照
CD-RW シーディーアールダブリュ
compact disk rewritable
繰り返し書き込み・消去ができるCDです。記録面のアモルファス合金の結晶化と非結晶化を利用して書き込み,この面にレーザーをあてて,その反射光の変化をとらえて読み取りを行います。アモルファス合金の結晶化と非結晶化は有限ですが繰り返すことができるため,書き込み,消去が可能になります。
CD-RWメディアは光の反射率が他のCDよりも低いため,音楽用のCDプレイヤーや古いCD-ROMドライブで使うことができません。現在主流のマルチリード型のドライブが必要になります。
大きさは12p(5インチ),記憶容量は650MBまたは700MBものがあります。