「PCカード」は米国PCMCIAと日本電子工業振興協会が共同で規格化したノートパソコン向けの拡張カード規格、およびその装置をさします。長い間ノートパソコンの拡張装置規格として使われてきましたが、2003年9月に新しい拡張カードの規格として「ExpressCard(エクスプレスカード)」が発表されその役目を終えました。「PCカード」と「ExpressCard(エクスプレスカード)」に互換性はありません。
PCカード
PCカードは特定・固有の機能をもった装置や製品の名称ではありません。PCカード規格の製品には、メモリーカード、ハードディスクカード、モデムカード、LANカード、増設機器のインターフェイスカードなどがあります。現在は、無線LAN、携帯電話、PHSの通信機器用に使うことが多くなりました。
デスクトップ機には装置拡張のために拡張スロットがありますがノートパソコンにはありません。ノートパソコンではPCカードがこの機能に役目をします。大きさはクレジットカード大で、厚さ3.3oのType I、5.0oのType II、10.5oのType IIIの3つがあります。
- TypeTは、主にフラッシュメモリカードとして利用されます。
- TypeUは、主にモデムやLANカードなどインタフェースカードとして利用されます。
- TypeVは、主に小型ハードディスクに利用されます。
ノートパソコンに、該当接続端子(インターフェース)がない場合、PCカードの該当接続方式のインタフェースカード(PCカード)を着装することで接続が可能になります。
▽ LANインタフェースカード ▽

装備と性能
PCカードは32ビット幅のCardBusを採用しており、転送速度など性能はディスクトップ機の拡張スロットPCIバスと同等です。ノートパソコンでは側面にPCカード用の着装スロットを標準装備しています。カバーが被さっていますので、マニュアルで位置を確認してください。省スペース機では拡張スロットに、PCカードスロット(CardBus)を採用しているものもあります。また、ディスクトップ型やタワー型のハイエンド機にはメモリーカードスロットやPCカードスロットを装備しているものもあります。
ExpressCard(エクスプレスカード)
2003年9月に発表されたPCカードに代わる新しい拡張カードの規格です。内部接続インタフェースには「PCI Express」が採用され、PCカードに比べデータ転送速度が250MB/秒と改善されています。カードの規格は、 34mm幅26ピンのExpressCard34と54mm幅26ピンののExpressCard54があり、どちらも奥行きは75mmで、PCカードよりやや短くなります。
▽ ExpressCard(エクスプレスカード)とPCカードの比較 ▽Vista機よりノートパソコンでは「ExpressCardスロット」を採用するものが増えてきました。「PCカードスロット」と「ExpressCardスロット」はよく似ていますが互換性はありません。Windows 7機ノートパソコンでは「ExpressCardスロット」が標準搭載になります。PCカードは利用できません。今までPCカードのオプション装置を使っている方は注意してください。

