パソコンの処理性能を左右する装置に「チップセット」と「バス」があります。最近のカタログやマニュアル仕様書にはチップセットの形式名称やシステムバスの幅が掲載されています。
チップセットやバスがどのようなものであるかの概略をご記憶ください。チップセットの性能を理解するにはパソコンの内部構造、特にマザーボードの知識が必要です。通常は一般の方が触れることのないことのない領域です。
チップセット chipset
「チップセット」は本体のマザーボード上に配置されている制御部品です。CPU、メモリー、周辺装置などの信号やり取りを管理制御する装置です。バス機能やインタフェイスの機能も含まれ、グラフィック機能をもっているものもあります。
どのようなチップセットを使うかにより、利用できるCPU、メモリーのタイプ、インタフェースの種類などが決まります。パソコン全体の処理性能に大きく影響するもので、複数の機能が1つから2つのLSIに集積してあるためチップセットといいます。 CPUと各機器との橋渡し役を担うことから「ブリッジ」と呼ばれます。

ノースブリッジとサウスブリッジ
通常、チップセットは2つで構成され、CPUに近い側のものをノースブリッジ、もう一方をサウスブリッジといいます。CPUを基準に南北の位置関係で表現します。ノースブリッジではCPU、メモリ、グラフィックボードなど高速な装置がつながり、サウスブリッジにはハードディスク、DVDドライブなど低速な装置がつながります。
バス Bus
コンピュータの内部で信号をやり取りする通路(結線)のことを「バス」といいます。「バス」は一度にやり取りできる容量から16ビットバス、32ビットバス、64ビットバスがあります。バスが何ビットであるかはパソコンの処理性能に大きく影響します。CPUが32ビットでもバスが16ビットですと、その機種では32ビットCPUのパフォーマンスをえることはできません。現在は32ビットバスが標準です。バスは使用目的、形態、場所などからさまざまに分類され、名称があります。
システムバス system bus
BUS(バス)は装置や部品間の通路(結線)をさします。パソコンのマザーボード上にあるバスのうち、CPUとメモリーまわりのバスの総称です。システムバスのバス幅と動作周波数がパソコン全体の処理性能に大きく影響します。パソコンの性能を判断する上で重要な条件ですのでカタログの仕様書に記載されるようになりました。
拡張バス
パソコンの機能を拡張するときに、拡張スロットに各機能の拡張ボードまたは拡張カードを着装することがあります。この拡張スロットを結ぶものが拡張バスです。通常、拡張スロットはAGPスロット、PCIスロットなどバスの規格名称で呼びます。着装する拡張ボードまたは拡張カードはスロットの規格(バスの規格)に対応している必要があります。
PCIバス peripheral component interconnect bus
Windows XP機時代のパソコンで標準とされていた32ビットバス規格です。
AGP accelerated graphics port
3次元画像や動画などの大容量のグラフィックスデータを高速処理するバスです。現在のパソコンはAGPの拡張スロットにグラフィックスボードを標準搭載しているものが多くあります。このボードのコネクタにディスプレイを接続します。
PCI Express ピーシーアイエクスプレス
Windows Vista機より標準となるPCIバス規格です。XP時代に普及していたパラレル方式のPCIバスからシリアル方式に変更になりました。PCIバスでは最大転送速度は133MB/秒ですが、PCI Expressでは最大で8GB/秒の転送ができます。