このページで使用している「症状」や「障害」の名称は一般によく使われる用語で、医学上の正式名称ではありませんのでご了解ください。

マウスの操作で、腕の神経や筋肉を痛める方もいます。肩こりや頭痛の原因が長時間のマウス使用であった場合もあります。心身の障害は人により出る場所、症状、度合いが異なりますので注意が必要です。

パソコンにより心身の障害とは

パソコンは不適切な使い方をしますと心身に問題を生じる可能性がある機器です。この点の注意書きがマニュアルにされいる場合は必ず読んでください。

キーボードをよく使う方は腱鞘炎になる可能性があります。マウスも腕の筋肉や神経に障害を起こすことがあります。特に、ディスプレイを長時間見ることは目の疲労の原因になります。目の疲労は心身全体にいろいろな影響をおよぼしますので注意してください。また、オンラインゲームなどにも注意してください。現実と仮想との区別がつかなくなるという精神的な問題が生じることがあります。

「コンピュータ依存症」などといわれるもの

本人の意識や人の性格に関係しますので、専門医の判断が必要です。

主にプログラマなど専門職の方がなるといわれます。ほとんど人と話さなくなる、本人は話しをしているつもりでも言葉になっていないなどの症状がでます。一般の方でも、パソコンゲームに熱中すると似た現象が起きます。徹夜でゲームをして「こーこはどーこ」「わたしはだーれ」にならないようにしてください。人により度合いが異なりますが、本人の名前を聞いても瞬間的に答えられないことがあります。

また、パソコンの前にいないと不安になるという方もいます。何をするわけでもないが、パソコンの前にいて、キーボードやマウスをいじっています。パソコンを使う仕事をしている方や趣味としている方にはこうした傾向がありますが、程度により問題になります。

「パソコン拒絶症候群」などといわれるもの

仕事上の対人関係やミスがパソコンと結びついてしまった場合、または新しいものへの対応が苦手な場合に起きることがあります。パソコンを使うとストレスがたまり、目が痛い、肩がこる、頭痛がする、いらいらする、吐き気がする、疲れるなど色々な症状がでます。

キーボードアレルギー

一般の方はパソコンを使うまでタイプボードに触れたことがないのが普通です。ソフトの操作はマニュアルを読んで理解できれば、その通り操作すればできますが、タイピングはやり方を読んだだけではできるようにはなりません。練習(訓練)が必要です。得手不得手はありますが、適切な練習をすれば一定期間でできるようになります。ただし、休みの日に1日練習すればできるようになるものではありません。

対策と対処

身体的に症状や障害がでた場合は、その箇所の専門医にご相談ください。パソコンのストレスが原因で、本来別の原因で痛んでいた箇所の症状がでたり、ひどくなる場合もあります。また、人の性格や精神状態に関係する場合は、一般の方の判断で処置をするには問題がありますので、必ず専門医にご相談ください。

パソコンの使い方に問題がある場合、またはパソコンに対する考え方やイメージに問題がある場合は正しい状態にすることにより改善できます。このような場合はパソコンのインストラクターにご相談ください。

改善策

業務に関しては、2002年4月に厚生労働省からVDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」が提示されました。また、「労働安全衛生法の事務所衛生規則」や「JISの規定」にも執務スペース、照明、騒音、空調(温度・湿度)などについての基準が提示されています。事務機器メーカーには人間工学(エルゴノミックス)のデータが蓄積されており参照するができます。これらの規定を参考に使用環境を整備することができます。

VDT作業 Visual Display Terminal作業

キーボードとディスプレイを中心的とする作業をいいます。この作業で生じる肉体的疲労や精神的疲労の症状(障害)を「VDT症状群」または「VDT障害」といいます。OA化ストレスの問題として取り上げられますが、パソコンを長時間使用する場合は、仕事ではなくても同様のことが起きる可能性があります。

上記のものは、一般の方が使用する場合にも参考になりますが、一般家庭とは環境が異なりますので該当しないものもあります。また、一般の方では入手しにくい資料でもあります。一般家庭で使う場合は次のようなことに注意してください。基本は「長時間使用しない、長時間使用するときは小休止を入れる」です。常に、気分転換をはかるようによしてください。

気をつけること

  • 不自然な姿勢にならないよう気をつける
  • ディスプレイのコントラストや色調はややひかえめに調整する
  • ディスプレイの明るさと部屋の明るさにバランスをとる。部屋を暗くしない
  • ディスプレイに顔を近づけない
  • 目線をディスプレイからときどき遠くに移す

また、本体ファンの音やキーボードのキーを打つ音は、使っている方以外には気になる音です。深夜一般家庭で使用すときは周囲に対する配慮も忘れないようしてください。

pc25.心身の障害