パソコンはいろいろな精密電子装置から構成されています。各装置の特性が異なるため、各装置すべての特性がパソコンの特性となります。全体としては、熱・水・湿気・磁気・ほこり・振動・衝撃に注意する必要があります。機器のマニュアルには「取り扱い上の注意」が載っていますので必ず読んでください。
また、同じ型でもメーカーや機種により取り扱いに異なる部分があります。本体のどこにどのような装置が取り付けてられているかで取り扱いが多少異なります。
振動や衝撃
かってはフロッピーディスクドライブ、ハードディスクドライブ、CD/DVDドライブなど部分的に振動や衝撃に弱い装置が内蔵されていましたが、そうした心配はほとんどなくなりました。最近のノートパソコンには衝撃対策を施されています。また、ハードディスクに換わりSSD(エスエスディー solid state drive)が標準になりましたので、半導体メモリを使ったSSDで衝撃による問題はなくなりました。
温 度
熱を持つ部分は、本体、周辺機器により異なりますし、内部装置の配置によっても異なります。また、温かい、熱いという度合いは人により異なりますので、どの部分にがどの程度の熱をもつかを確認する必要があります。「さわっていると温かく感じる」程度なら問題ないと思われますが、「さわると即熱い」と感じるときは何らかの問題があります。また、本来熱を持たない場所が「温かくなっている」ときは何らかの問題があります。
特にディスクトップ型やタワー型では背面に、ノート型では底面に熱をもちます。熱を逃がすために筐体には換気口など解放部があります。装置の背面と側面は壁などに密接させないでください。また、本、書類などで解放部をふさがないように気をつけてください。内部が高温になると熱暴走という誤動作が発生したり、内部の部品が壊れる可能性があります。
低温やけど
ノートパソコンは構造上底側に熱を持ちます。長時間使った後に、ノートパソコンが置かれていたテーブルや机の上が温かくなっています。長時間、膝の上にのせて使いますと低温やけどを起こす可能性がありますので注意してください。
電磁波
パソコンは電磁波をだしますが、異なる電磁波同士は干渉し双方の機器に問題を生じます。テレビやラジオなど電波や磁気を発生するものの近くで使うと、お互いに悪影響を与え、雑音や誤動作の原因になることがあります。業務用機器は意外なものが電磁波を出しますのでご確認ください。
特に、インターネットの回線は影響を受けやすので注意してください。ホームゲートウェイやルーターの電源を電子レンジなど家電製品が繋がっている同じコンセントから取っていることで、通信状態が不安定になることもあります。通信機器のマニュアルや通信機器メーカーのホームページに詳細な説明がありますのでご確認ください。
水滴と結露
湿度が低い環境や温度の高低差が激しい環境に設置している場合に起きることがあります。「パソコンが汗をかく」という表現が使われる現象です。トラブルの原因なりますので、設置環境を改善してください。
寒冷地では、パソコンの電源を入れてから、部屋の暖房を入れるようにしてください。部屋の温度を急に上げると、冷えているパソコン内部に結露し故障の原因になります。
防 水
本体内部に水に類するものが入るとショートの原因なります。タワー型で本体の上に花瓶や飲料ボトルなど水に類するものが入った容器は置かないでください。また、パソコンを操作しながら、コーヒー、お茶、ジュース飲むときはくれぐれもこぼさないように注意してください。特にノートパソコンの場合は、キーの部分でも本体にこぼしたことになります。
動作中にこうした事態が起きると致命的な障害になることもあります。このようなことが起きたときは直ぐに電源を切りコンセントを抜いてください。マニュアルには、水や異物が入ってしまった場合の対処が載っています。通常は、販売店、サポートセンター、修理センターにご相談ください。
最近は防水対策を施したノートパソコンも売り出されています。
キーボードの水洗いと分解
パソコン雑誌などには、コーヒーやジュースをこぼしたときにキーボードを水洗いする方法が載っていることがあります。手順や方法を間違えると逆効果になります。保証はされませんので自己責任でおこなってください。また、キーボードの構造は単純ですが、微妙な仕組みになっていますので、一般ユーザーが分解すると元に戻せなくなります。
ほこり
化学繊維、金属片のほこり、粉塵は伝導体になる可能性があります。誤動作の原因になりますので「ほこり」の多い場所には置かないでください。直ぐに、何らかの異常が起きることはありませんが、トラブルの起きる確率は非常に高くなり、痛みも早くなります。ホコリではありませんが、全量噴射式の殺虫剤に注意してください。薬品がパソコン内部に入り込み故障の原因となります。パソコンの電源を切りカバーになるものを掛けておいてください。