トラブルの対策と対処は『起きないように適切な取り扱いをする』『起きたときに被害を最小限に食い止める』『起きたときの最低限の対処法を覚える』です。
トラブルやアクシデント対策のポイントは「バックアップ」になります。バックアップにはシステム(Windosやアプリケーション)と自分の作ったデータがあります。システム(Windosやアプリケーション)は、最悪再購入すれば復元できますが、ユーザーが作ったデータはバックアップがなければ再度作ることになります。バックアップを有効且つ効率的におこなうにはファイル管理の知識が必須となります。
トラブルやアクシデントの対策と対処の方法は、使用者のパソコン習熟度により適切な方法があります。使用者のレベルや利用目的に適さない方法とりますと、その方法自体は技術的に高度なものであっても、対策や対処をすることが新たなトラブルやアクシデントの原因になります。
パソコンには「不都合」や「不具合」というやっかいな問題があります。パソコンには、その構造や仕組みから必然的に起きるエラーがあります。これらのことを「不都合」や「不具合」といい「故障や不良」とは考えません。「不都合」や「不具合」は知識のある人やベテラン使用者には起きないというものではありませんが、適切な「対策や対処」をしているため問題にはなりません。
トラブルとアクシデントの主な要因
パソコントラブルの主な要因を分けると次のようなものがあります。単独で起きるときもあれば、複合的に起きるときもあります。
- 製品の欠陥(不良品)またはソフトウエアの不都合に起因するもの。
- 機器の特性(構造・動作原理)に起因し、必然的に起きる。何らかの誘因による。
- 「対応」という問題のトラブル。
- 「設定」という問題のトラブル。
- 誤操作、不注意など人為的なミスに起因するもの
「対応」という問題のトラブル
パソコンは、機器と機器、機器とOS、OSとアプリケーションソフト、アプリケーションソフトとデータ形式が対応していないと正常に動作しません。
増設機器や周辺装置を購入する場合は、必ずご使用本体機種の型番および使用OSを告げて確認してください。周辺機器メーカーのWebサイトには対応機種一覧なども掲載されています。増設メモリはその機種対応のものでないと使えません。また、周辺機器にはデバイスドライバという制御プログラムが必要になります。そのメーカー、その機種用のものでご使用Windowsのバージョンに対応している必要があります。ソフトウエアの場合は取り扱えるデータファイル形式を確認してください。
基本ソフト(OS)はじめソフトウエアにはインストール要件(動作条件)があります。必ず、ソフトウエアのインストール要件(動作条件)をマニュアルで確認してください。パッケージの側面や裏面にも載っています。ただし、この値は最低の動作条件とお考えください。現在はプリインスト―ル機が主流ですので、一般ユーザーが基本ソフト(OS)とOfficeソフトをインストールすることはまれですので注意してください。
内蔵ハードディスクCドライブには、容量一杯にソフトをインストールすることはできません。スワップファイルや各種の作業領域が必要なるため、容量の2割程度は空けておく必要があります。ソフトウエアのパッケージの側面や裏面にはインストールするときに必要となる作業領域の大きさなども載されています。アプリケーションソフトのパッケージには必ず対応OS(基本ソフト)と必要動作環境(CPU動作周波数、メモリ容量など)が掲載されています。ご使用の機種がこの条件を対応していない場合は正常に動作しません。現在はダウンロード販売が主流になりましたので、ダウンロードする前に該当のソフトハウスWebサイトで確認してください。
「設定」という問題のトラブル
パソコンは、ハードウエアレベル、OSレベル、アプリケーションソフトレベルで、それぞれ動作環境が設定できるようになっています。これらの設定条件に矛盾や食い違いが生じると正常に動作しません。
正常に動作している場合でも、インストール時の設定ミスで画面の表示形式が「標準」ではないため、マニュアルなどの説明と「画面表示が違う」「該当のアイコンがない」など問題が起きることもあります。OSレベルで使用プリンタの設定が間違っいると、アプリケーションソフトレベルの設定ができません。また、ドライブやフォルダの指定が間違っているために、ソフトが起動しない、データが表示されないということも起きます。
トラブルとアクシデントの情報収集
トラブルとアクシデントを解決するには、トラブルとアクシデントに関する情報収集が不可欠です。添付小冊マニュアル(取扱説明書)、ヘルプ機能(オンラインヘルプ)、メーカーWebサイトのサポート情報やQ&A。入門者や初心者が遭遇するトラブルやアクシデントの大半はメーカーWebサイトのサポート情報やQ&Aに掲載されています。サポートセンターに電話しても該当ページを見るように指示されることもあります。
ソフトウエアレベルではプログラムのバグ(不良・不完全)や脆弱性(不具合)の問題があります。ソフトメーカーのWebサイトには、必ずこれらの情報が掲載され、修正プログラムがダウンロードできるようになっています。Windowsでは「Windows UpDate」を自動更新にして修正プログラムを更新インストールしてください。
アプリケーションソフトも同じように自動更新機能が付いているものが多くなってきましたが、標準設定では無効になっていたり、この機能がないものもあります。ない場合は手動で該当ソフトハウスのWebサイトから修正プログラムをダウンロードする必要があります。
パソコントラブルの特異性
パソコンは、機器と基本ソフト(OS)とアプリケーションソフトが一体となって動作しています。個々のものが正常であっても、これらの関連性に問題が起きれば正常には動作しません。また、これらのものがすべて正常であっても、パソコンという機器の構造や動作原理から必然的に起きるトラブルもあります。
パソコンのトラブルは「対応」「状況」「条件」「関連性」という問題で、同じ条件でも起きるときもあれば起きないともあります。よく起きてもすぐ復旧できるものから、滅多に起きないが一度起きると致命的な事態になるものまであります。パソコンという機器の特性上起きるトラブルは誰にもでも起きます。使い方が不適切であればあるほど起きる確率は高くなります。
ソフトウエアの仕組みから必然的に起きるエラーはパソコンを再起動すると直ります。直らない場合にはじめて何か不都合起きているのではないかということになります。ソフトウエアは「人が意図して作成したもの」ですので「不具合」や「不都合」がつきものです。使用してるソフトウエアはそのメーカーのWebサイトを定期的にチェックして修正プログラムをインストールする必要があります。
脆弱性(ぜいじゃくせい) vulnerability
ネットワークも含めコンピューターシステム上に存在する弱点や欠陥などの問題点で、悪意ある第三者によりシステムに不具合を起こしたり、データの破壊・改竄・盗用に利用できる状態を指します。主にソフトウエアのバグ(プログラム上の欠陥)を指して使われることが多く、セキュリティホールと呼ばれることもあります。
最も多い脆弱性はソフトウェアのバグや仕様上の欠陥によるもので、開発者のミスが原因となるほか、開発者が想定していないソフトウエアの使い方をすることで見つかることもあります。一般にはWindowsの脆弱性(ぜいじゃくせい)がよく知られています。Windowsを使う場合はシステムの安全性を保つためにWindows Updateによる修正プログラムの適用が必須となります。
脆弱性(ぜいじゃくせい)はソフトウエアなどシステム上の問題だけではありません。システムの管理・運用、特にデータ取り扱いに関する人的セキュリティ上の問題点もあります。
「フリーズ(freeze)」
「フリーズ(freeze)」というトラブル動作は止まっていません パソコンが正常に動作しなくなり、キーボードやマウスの操作を受け付けなくなる状態をいいます。画面が凍りついたように動かなくなるためについた用語です。「フリーズ」という現象は、必ずしも内部処理動作が停止していると限りません。画面を基準にしたキーボードやマウスの操作ができませんので、一般ユーザーには使用不能状態と同じ意味合いになります。このため「パソコンの使用不能状態」を表現する用語として使われています。
「フリーズ」という現象は、Windows XP以前のWindowsではメモリ管理の容量配分方式に問題がありよく起きました。こときはキーボードで[Ctrl+Alt+Delete]の再起動操作をおこない回復させました。Windows XP以降はメモリ管理の容量配分方式が変更になったため「フリーズ」という現象はほとんど起きません。
「無限ループ」というトラブル 「フリーズ」に似た現象に「無限ループ」というプログラムのバグによるトラブルがあります。これは、プログラムの記述に不完全部分があり、同じ処理を無限に繰り返すものです。他の処理をいっさい受け付けなくなります。画面には同じものが繰り返し表示されていますが、速いため止まっているように見えます。キーボードやマウスの操作も受け付けませんので、機器が停止しているように見えますが、内部では動作しています。上記の状態から回復操作をするときには、ハードディスクアクセスランプが点滅していないときに行うのがポイントです。
ハングアップ hang-up コンピューターが何らかの原因で正常に動作しなくなること(使用不能)をいいます。原因は、機器の故障や接続など物理的な要因でなる場合と、不完全なプログラムなどソフトウエアの要因でなる場合があります。一般的には、原因には関係なく「フリーズ」という用語が使われています。