どのタイプのパソコンにも電源ランプ、ハードディスク動作ランプおよびCD/DVDドライブ動作ランプの3つは必ずありますが、パソコンの主装置(CPUやメモリ)の動作を表すランプはありません。動作確認は、おこなった操作の内容、各種のランプ(点灯/点滅)状態、画面の表示内容や動き(移り変わり)、動作音などを総合的に把握判断しておこないます。従って、パソコンの動作原理や仕組みについてある程度知識がないと判断ができません。

一般ユーザーがパソコンの状況または状態からトラブルの原因を正しく判定することはできません。何らかの不都合が起きている状態で、不用意に不適切な操作を繰り返しますと状況を悪化させてしまう可能性があります。憶測や思いつきの操作はおこなわないようにしてください。必ず、購入機器メーカーのサポートセンターにご相談ください。

本体の電源ランプ

「電源ランプ」が点灯すれば電気が通っていると判断できますが、内部各装置に損傷がないという保証にはなりません。逆に、電源系統に異常があれば、内部各装置が正常でも電源ランプはつきません。接続コードがきちんと差し込まれていないなどの場合もあります。

パソコンは電源コードの本体側も差し込み形式になっています。電源アダプタのコードのプラグを差し込む形式になっています。見ただけでは分からない場合もあります。奥までしっかり差し込んであるかを手の感触でも確認してください。

通常、電源ランプはスイッチがONであれぱ点灯したままですが、省電力機能のスタンバイ状態では、画面は暗く黒くなり電源ランプは点滅します。点滅の間隔が長いので見落とさないようにしてください。

省電力機能の「スタンバイ状態」や「休止状態」とき画面やランプがどのような状態になるかは、ご使用機種の本体マニュアルで必ずご確認ください。

駆動装置のアクセスランプ

通常、本体には下記ドライブ(駆動装置)のアクセスランプがあります。パソコン起動時にこれらのランプが点滅すれば一応各ドライブが動作すると判断できますが、正常に読み書きができるかは別問題です。ソフトウエアの設定によります。

  • CD/DVDドライブ
  • ハードディスクドライブ
  • SDDドライブ

ハードウエアレベルで機器が正常に動作しても、ディスクやメディアへの読み書きには制御プログラムの対応や記録方式などソフトウエアレベルの問題があります。正しい設定がされいませんと正常に読み書きができません。

起動時の点灯/点滅

電源を入れると「電源ランプ」が点灯し、起動がはじまります。次に黒い画面に白い英字が上から下へ表示されます。これに合わせるようにハードディスクドライブのアクセスランプが点滅します。

これらのアクセスランプが点滅したのはBIOSという本体の制御プログラムがドライブの基本的な動作確認をしたためです。ドライブにハードウエアレベルでの異状があると起動は停止します。チェックしたドライブが正常であればハードディスクドライブのアクセスランプが点滅を続け、ハードディスクから基本ソフト(OS)を読み込み起動します。

電源投入後、上記過程を経てWindowsのロゴ画面が出てくれば、物理的レベルは一応問題ないと判断できます。ただし、ハードウエアレベルのトラブルが致命的でない場合はBIOSメッセージに内容が表示されますが起動は止まりません。この場合のBIOSエラーメッセージは英語であるため一般ユーザーでは対処できません。

ハードディスクアクセスランプ

パソコンの動作確認をする重要な目安がハードディスクのアクセスランプです。ハードディスクのアクセスランプが点滅すれば、一応動作していると判断できます。ハードディスクのアクセスランプは、読み込みまたは書き込みの動作をしているときに点滅します。点滅間隔が非常に長い場合、チカチカと速い場合、間隔が一定でない場合、暗くなったり明るくなったりなど幾つかの点滅パターンがあります。

ハードディスクアクセスランプの留意点1

アクセスランプが点灯したままの状態になったときは何らかのトラブルが起きている可能性があります。ただし、機種の性能や処理内容によりどのくらいの間点灯したままになると異常かは一概には言えません。3分以上の場合もあれば10分以上の場合もあります。原因はハードウエアレベルの場合とソフトウエアレベルの場合があります。

ハードディスクアクセスランプの留意点2

アクセスランプが点滅するのは使用者が操作したときだけではありません。起動時、メモリに読み込まれるのはWindowsの基幹部分で、他の部分は必要に応じ読みこれます。アプリケーションソフトも同様です。Windows Updateやウイルス対策ソフトのアップデート機能が自動更新になっていれば、これらが動作したときに点滅します。その他、Webページの自動更新、ネットニュースの自動配信などの自動処理も同様です。

ただし、使用者が操作していないときにハードディスクのアクセスランプが点滅しても支障はないとはいい切れません。不正アクセスがされているときや、感染ウイルスが動作したときなどは状況によりハードディスクのアクセスランプが点滅します。

ハードディスクアクセスランプの点灯・点滅状態は機種の性能により長さが異なります。どのようなときに、どのように点灯・点滅するかは経験則によります。ハードディスクのアクセスランプを普段から見るように心がけてください。

画面の動き(移り変わり)

一般の方は画面の動き(移り変わり)でパソコンの動作状態を判断しますが、次の留意点があります。

画面の表示内容が分からない場合もあります

画面に表示されたメッセージが、動作エラーなのか、処理に対する警告や確認なのか、分からない場合があります。画面が動かないので動作が止まっていると思っても、メインメモリー内で処理が進んでいる場合もあります。この場合はハードディスクのアクセスランプも点滅しません。

必然的な不都合

パソコンでは、その仕組みから「不都合」と呼ばれる必然的な原因で動作が停止してしまうことがあります。再起動すると直ってしまい、同じ状況下で再度同じ操作をしても異常は起きません。代表的なものが「フリーズ」と呼ばれる現象です。

同じ状況下で同じ操作をすると常になる、またはなったりならなかったりする場合は調べる必要があります。ソフトウエアレベルであれば、動作設定が間違っている可能性があります。ハードウエアレベルであれば、機器に何らかの異常が起きている可能性があります。

使用者の勘違い

初心者や入門者の方は、はじめておこなったときと異なる画面の移り変わりをすると異常と判断してしまう傾向があります。動作画面はいついかなるときにも同じということではありません。同じ機能を同じ設定で使っていても処理対象が異なると、異なる画面の移り変わりになることもあります。

時間経過のメーター表示について

処理の実行中に、進行の時間経過を示す帯状のメーターが表示されることがあります。動作確認や進行状況の目安にはなりますが、正確な進行時間はわかりません。パソコンの処理能力は機種ごとに異なります。また、同じ機種でも増設メモリーの容量、増設機器の性能、使っているインターフェース(接続規格)などにより異なります。

進行状況を表示するシステムは、これら装置環境の違い(状況)を把握して進行時間を割り出しているものではありません。あくまで概略の目安となる時間です。

動作音

パソコンからでる音は、本体装備の冷却ファンのモーター音と駆動装置(ドライブ)が動くときのモーター音です。他の装置は電気装置ですので耳に聞こえる音はしません。実質、一般の方がパソコンの動作音と思っているのは本体冷却ファンの音です。

ハードディスクの動作音は、本体冷却ファンの音にかき消され気がつかない場合もあります。逆に本体冷却ファンが静かな場合は、ハードディスクのブーンという回転音や読み書きの際にカチャカチャという動作音がします。CD/DVDドライブが動作するときにはクーンクーンとスピード感のある動作音がします。

対策

一般の方が動作音で判断できるのは、今までしなかった音がする場合と、ガシャガシャ、ギーギーなど通常機械の異常音と判断できる音がした場合です。

パソコンが正常に動作するときに、起動から終了までの間にどのような音がするかよく聞き取ってください。パソコンを使いはじめたときは、取り扱いや操作などに気をとられているため気がつかない音もあります。慣れた頃にふと何の音だろうと気づきます。何か異常が起きたと勘違いする場合もあります。

ガシャガシャ、ギーギーなど明らかな異常音がしたときは直ちに使用を中止し、電源を切ってください。画面が動かず終了操作ができない場合は電源スイッチを5秒程押し続けてください。電源が切れます。お買い上げのお店、またはハードメーカーの修理センターにご連絡ください。

パソコンから出る音はメーカーや機種によりかなり違いがあります。あるメーカーの機種ではする動作音が、他のメーカーの機種ではしない場合もあります。音の程度もメーカーや機種により異なります。

pc11.パソコンの動作確認