コンピュータで取り扱う基本となる単位は「ビット(bit)」「バイト(Byte)」「ドット(dot)」です。
コンピュータでは非常に大きな数字や小さな数字を扱いますので、位取りには科学技術計算の補助単位を使います。単位の記号と位取りは見誤りやすいので注意してください。
単位の位取り(補助単位)
各単位は1000倍または1000分の1になりますが、コンピュータでは2進表現を基礎としているため1000倍または1000分の1にはなりません。このため、コンピュータで使う各単位には便宜上の要約表現があります。

さらに上の以下のような単位もあります。
P「ペタ」 1015 1000000000000000
E「エクサ」 1018 1000000000000000000
※科学技術計算の補助単位、キロは「k」と小文字で表記しますが、コンピュータの単位「バイト」に使うときは「KB(キロバイト)」と大文字で表記します。
ビット bit
「bit」は「binary digit(二進数)」を略したものです。コンピュータ基本処理の最小単位で、[0]と[1]の一つの組み合わせを1ビットとします。
1ビットは1桁[1,0]の2進数を指す → 21
1桁のなので 1と0 の2通りの表現しかできない
2ビットは2桁[1,0][1,0]の2進数を指す → 22
2桁の組み合せで 00,01,10,11の4通りの表現ができる
3ビットは3桁[1,0][1,0][1,0]の2進数 → 23
3桁の組み合わせで 000,111,001,100,101,010,110,011の8通りの表現ができる
16ビットでは約6万5千通りの表現ができ、32ビットでは約43億通りの表現ができることになります。
パソコンの基本表現は2進数ですから、32ビットパソコン、搭載メモリ512KB、256色表示、65536色表示など2を乗じた数字になります。状況により千単位以下、十万単位で要約された表現になることもあります。
ビットの「b」は小文字で表記します。バイトの「B」は大文字表記します。
bps ビットパーセコンド
「bps」の「b」は「byte」ではありません。「bit」です。「bps」は 「bit par second」 の略です。1秒間に何ビット転送できるかをあらわします。値が大きいほど一度に送る量が多くなり、結果して送る速度が早い意味合いになります。
パソコンでは、本体と周辺機器間の転送速度、ルーターや通信回線の転送速度などに使いますが、1秒間に何キロ進むか(1秒/km)などの速度をあらわす単位とは異なる意味合いのものです。インターネット回線の広告では単位のbpsを省略して12M、24Kなどと表記されています。
バイト Byte
情報量(記憶量)の最小単位は1バイトです。1バイトは1ビットを8つ集めたものです。1バイト=8ビットになります。バイトは「B」と表記します。コンピュータの情報量は非常に大きな数字を扱いますので補助単位(位取り)を使います。ただし、コンピュータの基本表現は2進数ですので2の10乗単位の数字になります。
2の10乗単位の繰り上げ、繰り下げ数は1000単位のキリのいい数字にはなりません。わかりにくいので便宜上、2進数の10倍単位の繰り上げを10進数に対応させて使います。

上記表の横列は同じ意味として取り扱います。商品の箱やカタログなどの表記には1000Bを基準にしている場合と、1024Bを基準としている場合があります。現在は、1KBは1024Bを基準に、1MBは1024KB、1GBは1024MB、1TBは1024GBとする方法が多く用いられています。
通常の補助単位では1kは1000ですが、情報量(記憶量)では1KBは1024Bになります。このため小文字の「k」ではなく、大文字の「K」で表記します。KB(キロバイト)、MB(メガバイ)、GB(ギガバイト)、TB(テラバイト)と表記します。
ドット dot
表示、印刷される文字や画像を点の集合で表現する場合に使われる単位です。表現の最小単位の点を「ドット」といいます。デジカメで使われる画素(ピクセル pixel)も同じ意味になります。「ドット」は「単なる点」を意味しますが、「ピクセル」は「色情報を持つ点」を意味します。
ディスプレイ,プリンター,スキャナー,デジタルカメラなどは、各装置ともに物理的な構造は異なりますが、ドット(点)を最小単位として、その集まりで表現しています。画像をドット(点)の集まりとして扱うことを「ビットマップ(bitmap)」といいます。
文字の形を点の集まりで表現した字体を「ビットマップフォント」、文字の輪郭を基準点とそれを結ぶ曲線で表現した字体を「アウトラインフォント」といいます。
解像度 resolution
ドットのキメの細かさをあらわす値で、dpi(dots per inch ドットパーインチ)であらわします。dpi は1インチの直線を構成するドットの数で、この数字が大きいほど1インチ中の点(ドット)の密度が高いことになります。プリンター、ディスプレイ、スキャナー、デジカメで使いますが、各装置物理的な構造が異なるため、解像度の値がもつ意味合いは異なります。
プリンタでは印刷品質がよくなり精細な印刷ができますが、同じプリンタであれば解像度の高いときの方が印刷に時間がかかることになります。
スキャナでは、解像度を上げると読みとり精度が上がりるため情報量が多くなり、読みとられた画像が大きくなります。また、目では見えない紙面の凹凸やホコリまで読み取ってしまうこともあります。
ディスプレスでは、画面上の物理的なドットの大きさが変わらないため、解像度を上げると表示される範囲が広がります。1画面を構成する横×縦の大きさを、800×600ドット、1024×768ドットなどとあらわします。ディスプレイ表示のキメの細かさは画面上の物理的なドット間の距離によります。これを「ドットピッチ」といいます。ドットピッチが小さいさくなればなるほど表示は滑らかになります。
⇒ 詳しくは「ハードウエア」の各装置を参照
パソコンで標準とする長さの単位
パソコンは欧米で発展し、使用しているOSも米国製のものを日本語化したものですので、標準はインチになります。1インチは2.54cmです。通常、アプリケーションソフトではich/cm(mm)の切り替えができるようになっています。また、文字を表す単位にはポイントやパイカまたはピクセルが使われます。
各モニターの物理的な画面は構成するドットピッチ(距離)に固定されています。表示されたものの画面上の長さを計っても規定の長さにはなりません。
- 1インチは2.54cm
- 1ポイントは1/72インチ
- 1パイカは12ポイント(約4.23mm)